今年のドラフト候補の一人であるヴァデルナ・フェルガス。
大学で実績を積み上げてきた変則左腕で、各球団のスカウトからも注目を集めています。
一般的な記事では「最速◯km/h」「甲子園での活躍」などの表面的な特徴に注目が集まりますが、プロで通用するかどうかは、より詳細なデータ分析が欠かせません。
本記事では、ヴァデルナ選手の特徴やプレースタイル、さらには奪三振率(K/9)・四死球(BB+HBP/9)などのセイバーメトリクスを含め、数値を細かく分析しています。
数字が示す傾向から、将来どのような役割を担えるのか、ドラフト指名の可能性はあるのかを考察していきましょう。
ヴァデルナ・フェルガスとは?
ヴァデルナ・フェルガスは大阪府阪南市出身の左投左打投手です。
身長188cm、体重86kgという恵まれた体格を持ち、日本人離れしたスケール感あふれる左腕として注目されています。
小学校時代は「桃の木台スターズ」で野球を始め、中学では名門・大阪泉南ボーイズでプレー。
高校は山梨県の強豪・日本航空高校へ進学し、全国的に名を轟かせました。
さらに特徴的なのは、国際的なルーツを持ち、日本語と英語を自在に操るバイリンガルであることです。
グローバルな感覚を持ち合わせた選手はプロ野球界でも貴重で、チームメイトや外国人選手とのコミュニケーションでも強みを発揮できるでしょう。
ヴァデルナ・フェルガスの日本航空高時代の実績
強豪校相手に143球の熱投
高校時代、ヴァデルナは2年時から主力投手として頭角を現しました。
センバツ優勝経験を持つ東海大相模との対戦では、143球を投げ抜く完投を披露。
自己最速となる136kmの直球をマークし、全国区のスカウトたちに強烈なインパクトを残しました。
甲子園での快投
3年時には甲子園に出場し、2試合で完投、19奪三振、防御率1.85という堂々たる成績を記録。
高校野球の聖地でその完成度の高さを証明し、一気にプロ注目選手の仲間入りを果たしました。
当時からストレートの威力だけでなく、クレバーな投球術や冷静なマウンドさばきが評価され、「伸びしろの大きい左腕」として多方面から注目されていました。
ヴァデルナ・フェルガス青山学院大学時代
大学進学後の苦悩と成長
青山学院大学へ進学後、順風満帆とはいきませんでした。怪我の影響でフォームの安定性を欠き、思うような結果を残せない時期もありました。
しかし、地道なリハビリとフォーム修正を重ねた末、大学4年春には大きな転機を迎えます。
サイドスローへの大胆な転向
彼が選んだのは、サイドスローへの転向でした。
長身左腕から繰り出される横の角度を活かすことで、打者にとってより厄介なボールを投げられるようになったのです。
中央大学戦では7回1安打無失点と圧巻の投球を披露。
この試合後、中日ドラゴンズの松永スカウト部長は「非常に面白い投手」と高く評価し、再びプロの注目を浴びる存在となりました。
ヴァデルナ・フェルガスの投球スタイルと武器
直球とスライダーのコンビネーション
ヴァデルナの基本スタイルは、140km前後のストレートと切れ味鋭いスライダーを中心に組み立てる投球です。
サイドスロー特有の横の角度が加わることで、左打者に対しては背中から食い込むようなストレート、右打者に対しては鋭く逃げるスライダーが効果を発揮します。
奪三振率の高さが証明する決め球の威力
大学公式戦や全国大会では奪三振率の高さが際立ちます。
春季リーグ戦で9.00、大学選手権でも8.56と、常に1イニングに1個以上の三振を奪える計算です。
この数字は、彼のボールに空振りを奪う力が備わっている証拠でもあります。
課題となる制球力
一方で四死球率の高さが課題とされています。
ボールの力強さは申し分ありませんが、プロの舞台では「制球の安定」が求められるため、この課題を克服できるかどうかが今後を左右するでしょう。
ヴァデルナ・フェルガスの投球成績(セイバーメトリクス)
では、セイバーメトリクスを含め、ヴァデルナ選手の投手データを細かく分析していきましょう。
ヴァデルナ・フェルガス|投手成績
※一部、グラフ付きレポートが未公開の記事もありますが、データが揃い次第、順次追加・更新いたします。
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