バドミントンを始めたばかりの方にとって、どのラケットを選べばよいのか迷うことは少なくありません。ラケットの重さ、シャフトの硬さ、バランスなど、初心者が押さえておきたいポイントは多岐にわたります。
本記事では、失敗しないラケット選びのコツや用途別おすすめモデルを詳しく解説します。これを読めば、最初の一本に適したラケットを見つけられるようになります。
初心者にとってラケット選びが重要な理由
まず、バドミントンラケットはプレーのしやすさや上達速度に直結する重要な道具です。重すぎるラケットだと腕に負担がかかりフォームが崩れやすく、軽すぎるとスイングに力が乗らずショットに威力が出にくくなります。
シャフト(柄)の硬さもスイングスピードや操作感に影響し、柔らかすぎると振り遅れしやすく硬すぎると手首や肩に負担がかかりがちです。初心者が最初から自分に合わないラケットを使うと、上達が遅れるだけでなく怪我のリスクも高まるため、適切な一本を選ぶことが上達への第一歩と言えます。
また、初心者はラケットのコストパフォーマンスも気になるところです。プロ仕様の高額ラケットを購入しても、初期のスキルではその性能をフル活用しきれないことがほとんどです。
3000円~5000円程度のエントリーモデルから選ぶことで、まずは基本のフォームや技術を身につけ、その後スキルが上がってきた段階で中級~上級モデルにステップアップする方が効率的です。適正なラケット選びは、プレーの快適さと費用対効果の両方を兼ね備えた選択肢を見つけることに繋がります。
重さ(ウエイト)で選ぶ:軽量モデルと中量モデルの違い
バドミントンラケットの重量は大きく分けてU(72g前後)、2U(80~84g)、3U(85~89g)といったカテゴリーに分かれています。初心者には扱いやすさを重視して、まずは3U前後の85g~89gをおすすめします。
3Uのラケットは操作性が高く、振り抜きが良いため、素早いスイングやネット前の繊細なショットを練習するのに向いています。
逆にU(72g前後)の極端に軽量モデルは、高速スイングを意識する中・上級者向けのため、初心者がいきなり扱うとボールを弾き遅れてしまい、ショットの安定感を欠くことがあります。
例えば、3Uのラケットで前後左右にシャトルを追ってしっかりスイングし、フォームを固められるようになってから、2UやUに切り替えていくのが理想的です。
2U(80~84g)のラケットは振り抜きがよく、攻撃的なクリアやスマッシュが打ちやすくなる反面、ラケット重量が重いため初心者だと腕に疲れが溜まりやすくなります。まずは3Uでフォームを固めて腕力・体力がついてきた段階で、2UやUを試してみると無理なくステップアップできます。
シャフトの硬さ(フレックス)で選ぶ:しなりでスイングを補助
シャフトの硬さはバドミントンラケットの操作感に大きく影響します。一般的にシャフトは「硬め(HS)」「中間(MS)」「柔らかめ(SS)」の3種類があり、初心者には柔らかめ(SS)モデルをおすすめします。
柔らかいシャフトは、スイング時にしなりが生まれることでパワーをアシストし、スマッシュなどのショットに必要な威力を補ってくれます。
まだスイングのフォームや腕の振りが安定しない初心者にとっては、柔らかいシャフトがショットの飛距離を稼ぎやすく、楽にシャトルをコート深く運べるためストレスが少なく練習に集中できます。
中級者になりスイングスピードがついてくると、より硬めのシャフトで自分のスイング力を活かして精密なショットを打つ方が効果的です。しかし、最初から硬めのシャフトを使うと、しなりが不足し、コントロールが犠牲になることがあります。
したがって、最初の1~2年は柔らかめシャフトでフォームと体力を鍛え、その後段階的に中間や硬めシャフトのラケットに切り替えることが理想的な上達ルートです。
バランス(ヘッドライト・イーブン・ヘビー)の選び方
ラケットのバランス(重心位置)は、頭側に重心があるヘビー(中・上級者向け)、グリップ側に重心があるヘッドライト(操作性重視)、バランスの取れたイーブン(総合バランス型)の3種類に分かれます。初心者にはイーブンかヘッドライトバランスをおすすめします。
イーブンバランスはスマッシュ・クリアなどの攻撃力とドロップ・ネットなどの操作性をバランスよくサポートしてくれるため、フォームが定まらない初心者でも扱いやすいのが特徴です。
一方、ヘッドライトバランスは軽快な操作を重視したいプレーヤーに向きます。初心者段階であっても、ネットプレーを意識してラケットの動きを軽く感じたい場合はヘッドライトバランスが適しています。
反対にヘビータイプはスマッシュに強みを発揮しますが、その分ヘッドが重いため操作性が落ちがちです。初心者時代からヘビーを使うと、フォームが崩れやすく、手首や肘への負担も大きくなるため、まずはイーブンもしくはヘッドライトから始めるのが無難です。
初心者向けおすすめラケット5選:コストパフォーマンス重視モデル
ここからは、初心者に特におすすめのバドミントンラケット5モデルを厳選してご紹介します。いずれもコストパフォーマンスに優れ、はじめての一本として失敗しにくいモデルばかりです。各モデルの特徴を参考に、自分に合った1本を見つけてください。
① ヨネックス「Nanoflare 700」
ヨネックスの「Nanoflare 700」は、初心者から中級者まで広く支持されるイーブンバランスのラケットです。
3U(85~89g)・柔らかめシャフトで、はじめての軽量ラケットとして扱いやすい設計。飛びすぎずコントロールしやすい跳ね返り特性を持つため、基礎的なクリアやスマッシュのフォームをじっくり固めたい初心者に最適です。
また、フレームにカーボンを採用することで、軽量ながら剛性を確保。扱いやすいグリップ形状もあいまって、長時間の練習でも疲れにくいのが特徴です。価格は1万円台前半とリーズナブルでありながら、ヨネックスならではの品質と信頼性を兼ね備えています。
② ミズノ「Altius Plus 30」
ミズノの「Altius Plus 30」は、コストを抑えつつ操作性を重視したヘッドライトバランスモデルです。
重量は3U(約85g)でシャフトは柔らかめ。ネットプレーやカット技術を習得したい初心者におすすめです。軽快なスイングが可能なため、リストを活かした繊細なショットが打ちやすく、ドロップやネット前の刻みを練習する際に役立ちます。
また、フレームのねじれを防ぐトルクコントロールテクノロジーを搭載し、スイング時の振り抜き感が良好。ウエアラブル性にも配慮されたグリップ形状で、手汗をかいても滑りにくいため、初心者の不安を軽減してくれます。価格は1万円弱でコスパに優れた一本です。
③ ヨネックス「Arcsaber Lite 11」
「Arcsaber Lite 11」は、ヨネックス独自の「コントロールシャフト」と「ナノメトリックテクノロジー」を採用し、打球のコントロール性能が高いイーブンバランスラケットです。
重さは3U(85~89g)でシャフトは中間以上の剛性を備え、初心者からスイングスピードがついてきた初中級者にも向きます。ヘッドがブレにくく、スマッシュやクリアのコントロールがしやすいため、最初の一本として長く使えます。
ナノメトリックテクノロジーによりフレーム剛性を高めつつ軽量化に成功。初心者が扱いやすい軽さをキープしながら、フォームが安定してきた段階でも十分な性能を発揮します。価格帯は1万5000円前後とやや高めですが、長く使える一本を探している方にはコスパの良い選択肢です。
④ ウィルソン「Carbon Force 8000」
ウィルソンの「Carbon Force 8000」は、コストパフォーマンスに優れるフルカーボンラケットで、3U(約85g)・イーブンバランスを採用。弾き感がありつつも操作性が良好で、クリアやスマッシュだけでなくドロップショットやネット前のショット練習にも向いています。
カーボン素材を活かした反発性能と振り抜き感により、初心者でもシャトルを飛ばしやすく、ミスショットが減りストレスなく練習を進められます。
さらに、グリップ部分に着脱可能なグリップテープを付属し、使用者のサイズに合わせて巻き直しが可能です。価格は8000円前後と非常にリーズナブルで、バドミントンを始めたばかりの方でも手が届きやすい一本です。
⑤ リーニン「Turbocharging 10C」
リーニンの「Turbocharging 10C」は、初心者向けに設計されたフルカーボンラケットで、3U(約85g)・ヘッドライトバランスを採用。操作性を重視しながらも反発性能を備えており、軽快なスイングが可能です。
特にフットワークを使った攻守の切り替え時にラケットの動きが軽く感じられるため、ラリー中に素早い動きをサポートしてくれます。
シャフトはやや柔らかめに設定されており、初心者がスイングスピードを意識せずともシャトルの飛びを実感しやすい設計です。価格は1万円弱で比較的手頃ながら、リーニンブランドならではの耐久性とデザイン性も兼ね備えており、初心者が最初に揃える一本としておすすめです。
初心者がラケット選びでよくある質問:FAQ
ここでは初心者がラケット選びに迷ったときによく出る質問に答えます。ラケット購入前の疑問を解消し、最適な一本を見つける手助けとなる情報をまとめました。
Q1. 初心者でも200グラム以下の重量ラケットは扱えますか?
バドミントンラケットの重量は、実際に手に持ったときの感覚で大きく異なります。3Uモデル(約85g)でも、グリップエンドやストリング張力の影響で実際には200グラム前後になることがほとんどです。
ラケット自体の振り抜き感や操作性はシャフトの硬さやバランスと密接に関連しているため、まずは3Uか4U(約80~84g)程度のラケットを試打してみるのが安心です。
200グラムを切る極端に軽いラケットは、初めての場合に振り遅れを感じやすく、コントロールに戸惑う可能性があるため、初心者は避けたほうが無難です。
Q2. ラケットを選ぶときには必ず試打するべきですか?
試打は非常に有効な方法ですが、必ずしも実店舗で試打ができるとは限りません。その際は、インターネット上のレビューやスペック情報をもとに自分のレベルやプレースタイルに合いそうなモデルを選び、実際に購入してみるのも一つの方法です。購入後に違和感を感じた場合は、すぐに別モデルを試すか、ラケットショップで再度相談してみるとよいでしょう。ただし、機会があればできる限り試打を行い、実際の振り心地やショットの感触を確かめてから購入することをおすすめします。
Q3. 最初はどのストリングテンション(張力)で張るべきですか?
初心者の方はラケット購入時にショップで張ってもらう際、20ポンド(約9㎏)前後の張力を指定するのが一般的です。張力が高すぎると弾き感が硬くなり、シャトルを飛ばすのに力を要するため、フォームが未完成な段階では扱いにくく感じることがあります。
逆に張力が低すぎるとラケットが暴れやすく、打球のコントロールが難しくなるため、最初は中庸な20ポンドを基準にし、慣れてきたら微調整していくのがよいでしょう。
まとめ:初心者に最適な一本を見つけてバドミントンを楽しもう
バドミントン初心者のラケット選びの基本ポイントから具体的なおすすめモデル5選、よくある質問まで詳しく解説しました。
初心者が迷うポイントは「重さ」「シャフトの硬さ」「バランス」「価格」の4点です。まずは3U(約85~89g)・柔らかめシャフト・イーブンもしくはヘッドライトバランスのラケットを選び、基本フォームとスイングの感覚を養いましょう。
ぜひ本記事を参考に、最初の一本を手に入れ、コートでのプレーを充実させてください。

