バドミントンは速い動きと瞬発力が求められるスポーツです。屋内コートでプレーする際、適切なシューズを履いていないと、滑りやすさやフットワークの不安定さからパフォーマンスを最大限に発揮できません。
バドミントン用のシューズは、一般的なトレーニングシューズやランニングシューズとは異なる専門的な設計が施されています。特に屋内コートで求められるのは軽量性、グリップ力、衝撃吸収、足首サポートなどの要素です。
本記事では、シューズ選びのポイントやおすすめモデル、メンテナンス方法までを網羅。あなたのフットワークをレベルアップさせ、ケガを予防しつつ長時間のプレーにも耐えうる一足を見つけるためのガイドをお届けします。
屋内コート用バドミントンシューズの基本構造と選び方のポイント
まずは屋内コート用バドミントンシューズに求められる基本的な性能と、選び方のポイントをおさえましょう。屋内コートは滑りにくいとはいえ、急な切り返しやジャンプ着地時には高いグリップ力と適度なクッション性が不可欠です。
シューズのアウトソール素材、ミッドソールの構造、アッパーのサポート性などが総合的にフットワークをサポートし、快適な履き心地をもたらします。
アウトソール(靴底)のグリップ力と耐久性
屋内コート用シューズのアウトソール素材には、天然ゴム(ラバー)が一般的に採用されています。天然ゴムはフロアに密着しやすく、高いグリップ力を発揮するため、急激なストップや方向転換でも滑りにくい特性があります。
また、耐摩耗性能にも優れているため、長時間の練習や試合でもアウトソールの減りが抑えられます。選ぶ際は、アウトソールのパターンや溝の深さも確認しましょう。波型やラウンド型のパターンは、マルチにグリップしやすく、どの方向にも安定した接地感を得られます。
耐久性を重視する場合は、補強ラバーが多く使われているモデルを選ぶのがおすすめです。
ミッドソール(中底)のクッション性と反発力
ミッドソールはシューズのクッション性と接地感を左右する重要パーツです。衝撃吸収性に優れたEVA(エチレンビニルアセテート)やPU(ポリウレタン)が使われることが多く、ジャンプ着地時やダッシュ時の膝や足首への負担を軽減します。
また、反発力(リバウンド性)を高めるために多層構造を採用するモデルもあり、蹴り出しの際にバネのような推進力を感じることができます。初心者や長時間プレーするプレイヤーは、クッション性を優先した厚めのミッドソールを選ぶと疲労を軽減しやすくなります。
中・上級者は、クッション性と反発力のバランスが取れたミッドソールを選ぶことで、スピーディーな動きと安定感を両立させることができます。
アッパー(甲部分)のフィット感と通気性
アッパーは足全体を包み込み、シューズのフィット感を決める重要な要素です。バドミントンではサイドステップを連続的に行うため、足がシューズ内でずれにくいホールド感が必要です。合成繊維やメッシュ素材を組み合わせることで足をしっかり固定しつつ通気性を確保し、蒸れを防止します。
さらに、ダイナミックサポートテクノロジーを採用したモデルでは、足の曲げ伸ばしに合わせてアッパーが柔軟にフィットし、自然な動きをサポートします。靴ひも部分に補強パーツが配置されていると、締め具合を調整しやすく、足に無理なく密着させることができます。
シチュエーション別・レベル別のおすすめバドミントンシューズモデル5選
ここからは、初心者向けから上級者向けまで、用途やプレーヤーレベル別におすすめの屋内コート用バドミントンシューズを5モデル厳選してご紹介します。それぞれの特徴や価格帯、ターゲット層を参考に、自分に最適な一足を見つけましょう。
① 初心者向け:ヨネックス「パワークッション 65Z2」
ヨネックスの「パワークッション 65Z2」は、クッション性と安定性を両立した初心者向けモデルです。厚めのミッドソールにパワークッションを採用し、着地衝撃を反発エネルギーに変換することで足への負担を軽減します。
アウトソールは天然ゴム製でグリップ力が高く、フロアにしっかり密着。アッパーには通気性の良いメッシュ素材を使用し、足のムレを防ぎます。価格は1万円前後と手頃で、入門用としてコストパフォーマンスに優れています。
② 中級者向け:ミズノ「ウェーブファング GX3」
ミズノの「ウェーブファング GX3」は、スピードと安定性を求める中級者向けモデルです。
ミッドソールには波形プレート(ウェーブプレート)を配置し、クッション性と反発力を高次元で両立。また、バージョンアップされたミズノダイナモーフレームが足をしっかりホールドし、サイドステップでもブレにくい設計となっています。
アウトソールはミズノオリジナルのフラットソールで、どの方向にも均一なグリップ力を発揮。価格は約1万5000円前後ですが、安定したフットワークを追求するプレーヤーにおすすめです。
③ 上級者向け:アシックス「ゲルバースト 24」
アシックスの「ゲルバースト 24」は、トッププレーヤーや競技志向の上級者向けモデルです。ミッドソールにGEL(ゲル)テクノロジーを採用し、衝撃吸収性と推進性を兼ね備えたハイエンド仕様。軽量かつ屈曲性の高いトラスティックシステムが、素早い切り返し時の安定感をサポートします。
アッパーにはスエードとシンセティックレザーを組み合わせた耐久性の高い素材を使用し、長時間の使用でもヘタれにくい設計です。アウトソールは耐摩耗性を向上させたAHARプラスを搭載し、激しいラリーにも耐える耐久性を実現。
価格は2万円前後ですが、ハイスピードなプレーを追求したい上級者に最適です。
④ コストパフォーマンス重視:ヨネックス「パワークッション 02」
再度ヨネックスからのおすすめとして、「パワークッション 02」はコストパフォーマンスを重視するプレーヤーに最適なモデルです。ミッドソールのパワークッションは衝撃吸収力が高く、ラリー中の着地衝撃を跳ね返してくれるため、膝や足首への負担を軽減します。
アウトソールは合成ゴムを使用しており、天然ゴムよりもさらに耐久性が高く、練習用としてガンガン使いたい方におすすめです。また、アッパーの通気性とホールド性にも優れ、デザインもカラーバリエーションが豊富で、1万円以下で手に入るモデルとして人気があります。
⑤ オールラウンドモデル:ブリヂストン「PCK007」
ブリヂストンの「PCK007」は、バドミントンだけでなくバレーボールや卓球など屋内スポーツ全般に適応できるオールラウンドシューズです。ミッドソールに軽量EVAフォームを採用し、クッション性と反発性をバランス良く実現。
アウトソールは耐摩耗性に優れた合成ゴムを使用し、どのスポーツでも安定したグリップ力を発揮します。アッパーはメッシュ素材と合成皮革のコンビネーションで、軽量かつ足をしっかり固定。
価格は1万円前後で、複数種目をプレーする方や、フィット感を重視する中・上級者におすすめのモデルです。
バドミントンシューズ選びで失敗しないための注意点とメンテナンス方法
シューズを選ぶ際は、実際に試着して足の幅や甲の高さに合ったものを選ぶことが重要です。インターネットだけで購入すると、サイズ感が合わずに型崩れや足ずれの原因になることがあります。以下では、選び方の注意点と長く使うためのメンテナンス方法を解説します。
注意点1:サイズは0.5cm刻みで試着を行う
バドミントンシューズはフィット感が命です。メーカーやモデルによってサイズ感が異なるため、同じ25.5cm表記でも甲周りがきつく感じることもあれば、緩く感じることもあります。できれば実店舗で0.5cm刻みのものを試着し、つま先に1cm程度の余裕があり、かかとが浮かないものを選びましょう。
指先が当たったりかかとが抜けやすかったりすると、プレー中にストレスを感じるだけでなく、ケガのリスクも高まります。
注意点2:片足立ちテストでフットワークの安定性を確認
試着時に片足立ちをしてみると、シューズの安定感を確かめることができます。屋内コートでは急激なストップや方向転換が多いため、足元がぐらつくとパフォーマンスダウンだけでなく捻挫などのケガの原因になります。
片足立ちでかかとがブレず、足首まわりにしっかりホールド感が感じられるものを選ぶと安心です。
メンテナンス方法:使用後のケアと保管方法
バドミントンシューズは使用するたびに汗や汚れが付着し、アウトソールのグリップ力が低下します。練習後は乾いたタオルや柔らかいブラシで汚れを落とし、風通しの良い場所で陰干しして乾燥させましょう。直射日光はシューズの素材を痛めるため避け、夜間の室内干しが理想的です。
また、アウトソールのラバーが剥がれてきた場合は、専用の補修パッドを貼ってグリップ力を復活させることができます。インソールは汗を吸いやすいため、取り外せるタイプなら取り出して陰干しし、抗菌スプレーを使うとにおいを抑えられます。
定期的にインソールを交換することで、足裏の疲労を軽減し続けることが可能です。
まとめ:自分に合った屋内コート用バドミントンシューズで最高のフットワークを実現しよう
屋内コート用バドミントンシューズ選びの基礎知識やアウトソール・ミッドソール・アッパーのチェックポイント、初心者から上級者向けのおすすめモデル5選、選び方の注意点やメンテナンス方法まで解説しました。
屋内コートでのプレーは、瞬時の判断とフットワークが勝敗を左右します。アウトソールのグリップ力とミッドソールの衝撃吸収性、アッパーのホールド感は、プレー中に常に意識される要素です。
自分に合った屋内コート用バドミントンシューズを見つけて、快適なフットワークを手に入れ、コートでの動きをさらに磨いてください。

