飲み会を企画する際、当日の進行をスムーズに進めるためには「進行表」が欠かせません。何を何時に行うかが明確になっていないと、司会や乾杯、余興のタイミングがずれて参加者の興奮が削がれてしまうこともあります。
本記事では、飲み会全体を円滑に進行させるためのスケジュール構成や具体的なテンプレート例を解説します。初めて幹事を担当する方でも安心して使えるよう、どんな飲み会にも応用できる汎用性の高いテンプレートを用意しました。
1. 進行表が重要な理由と事前準備
進行表は、ただ時間を羅列するだけではありません。事前準備や役割分担を明確にし、想定外のトラブルが起きた際の対処方法まで含めることで、幹事自身も落ち着いて進行役を務められます。ここでは、進行表を作成する前に押さえておきたいポイントを解説します。
1-1. 飲み会の目的と参加者層を把握する
まずは「今回の飲み会は何のために開くのか？」を明確にしましょう。新人歓迎会、歓送迎会、忘年会、同窓会など、飲み会の趣旨によってプログラム内容は変わります。
また、参加者の年齢層や男女比、部署や職種の違いなども影響するため、事前アンケートやグループチャットでヒアリングしておくと効果的です。そのうえで、盛り上げるべきポイントや配慮すべき点を洗い出し、進行表に落とし込みます。
1-2. 会場の広さと設備を確認する
会場によってはマイクやスピーカー、プロジェクターが用意されている場合があります。一方で音響設備がなく、スマホとBluetoothスピーカーで代用しなければならないケースもあるでしょう。
さらに、騒音制限やカラオケの導入可否、席のレイアウトが固定されているかなどもチェックポイントです。これらを把握していないと進行中に慌てることになるため、下見時に必ず確認し、進行表に合わせた設備リストを作成しておきましょう。
1-3. 幹事チームで役割を分担する
飲み会当日は、複数のタスクが同時並行で発生します。受付・会費回収、乾杯の挨拶・台本、余興の準備・進行、会場スタッフとのコミュニケーションなどを一人で抱えるのは困難です。そこで幹事チームを結成し、以下のような役割を分担します。
・受付係：参加者リストの確認と会費徴収
・司会進行係：乾杯の合図、スケジュール進行、締めの挨拶
・余興係：ゲームやビンゴ大会の準備、景品管理
・会場連絡係：お店側への最終人数確定、ドリンク追加オーダー
・撮影係：写真・動画の撮影と共有
各自のタスクを明確にしておくことで、当日の動きがスムーズになります。
2. 飲み会進行表の基本構成とタイムスケジュール例
進行表の基本構成は「時間」「プログラム内容」「担当者」の3つを列挙するだけです。ただし、それぞれに「備考」や「準備物」を付け加えておくと、当日の運営がより確実になります。以下では、一般的な2時間～2時間半の飲み会を想定したサンプルスケジュールを紹介します。
2-1. 飲み会開始前（受付と会場準備：開始30分前）
飲み会開始前は会場の準備と受付が最優先です。受付係は開始30分前に現地入りし、参加者台帳と名札、会費を準備します。
また、余興係はビンゴカードやゲーム景品の最終確認を行い、司会進行係はマイクやタイマーをチェック。開始10分前には全員で最終打ち合わせを行い、タイムラインを再確認しておきましょう。
【例：開始30分前～開始10分前】
– 18:00 受付開始（参加者リスト・名札・会費回収）
– 18:10 余興景品とビンゴカードの設置・確認
– 18:15 司会・幹事で全体打ち合わせ（当日の流れ最終確認）
– 18:20 会場のマイク・音響テスト、BGM再生チェック
– 18:25 参加者案内アナウンス準備（集合案内表示）
– 18:30 乾杯準備完了、全員着席指示
2-2. 飲み会本編（乾杯～中盤の余興：開始～60分）
飲み会の幕開けは乾杯から始まります。乾杯の挨拶は会社の宴会では上司や幹事が行い、友人同士の飲み会では企画者が一言添えます。乾杯後はフリータイムを設け、参加者には自由に飲食や歓談を楽しんでもらいましょう。中盤の余興タイミングは開始後約30分～40分頃がベストです。
参加者が一通り飲み物を手にしてリラックスした状態になった頃を狙うと、余興の盛り上がりが格段に高まります。
【例：開始（18:30）～19:30】
– 18:30 乾杯の挨拶（司会進行係）：「本日はお集まりいただきありがとうございます」
– 18:35 フリー歓談・飲食開始（BGMは軽めのプレイリスト）
– 19:00 中締めアナウンス：「そろそろ余興を始めます」
– 19:05 余興タイム①：ビンゴ大会（景品説明、番号発表）
– 19:25 ビンゴ景品授与・記念撮影（撮影係）
– 19:30 小休憩（15分間フリータイム）
2-3. 飲み会後半（追加オーダー・スピーチ・締め：60分～終了）
余興後は再度フリータイムを設け、参加者は二次会プランや余興の話題で盛り上がります。追加ドリンクのオーダーを取りまとめるタイミングでもあるため、会場連絡係はオーダーの黄色信号が出たら速やかにお店へ追加を依頼します。
最後の締めは本締めとも呼ばれ、全員に感謝を伝えつつ、終了時刻を告知します。会社の宴会では社長や上司がスピーチする場合もあるので、マイクやスピーチ原稿はあらかじめ用意しておきましょう。
【例：19:45～21:00】
– 19:45 追加オーダー呼びかけ（会場連絡係へ）
– 19:55 参加者からのフリースピーチ募集（司会進行係）
– 20:10 本締めの挨拶（上司や幹事代表）：「皆さんのおかげで楽しい時間になりました」
– 20:15 集合写真撮影（撮影係：背景に会場ロゴやオリジナルフォトボードを配置）
– 20:25 二次会案内アナウンス（希望者はLINEに返信してください）
– 20:30 退席準備開始（お土産配布、忘れ物チェック）
– 20:45 お開き（幹事よりお礼LINE配信）
– 20:50 最終片付け・会場清掃（幹事チームで協力）
– 21:00 完全撤収
3. 進行表テンプレート例とカスタマイズ方法
上記のタイムスケジュールをベースに、WordPressやExcel、Googleスプレッドシートで使える進行表テンプレート例を紹介します。テンプレートは項目を追加・削除するだけでどんな飲み会にも応用可能です。
3-1. 進行表テンプレートサンプル（表形式）
以下は表形式でまとめた進行表テンプレートの一例です。WordPress記事にコピペしやすいようにHTMLテーブル形式でも掲載します。
―――――――
| 時間 | 内容 | 担当者 | 準備物・備考 |
|---|---|---|---|
| 18:00～18:10 | 受付開始（参加者リスト・名札・会費徴収） | 受付係 | 名札、筆記用具、金銭管理台帳 |
| 18:10～18:20 | 司会・幹事打ち合わせ・音響チェック | 司会進行係、会場連絡係 | マイク、タイマー、BGMリスト |
| 18:20～18:30 | 参加者着席・乾杯準備 | 司会進行係、幹事代表 | 乾杯用ドリンク、グラス |
| 18:30～18:35 | 乾杯の挨拶・乾杯 | 幹事代表 | スピーチ原稿（あれば） |
| 18:35～19:00 | フリータイム・歓談・飲食 | 全幹事でサポート | 飲食オーダーリスト |
| 19:00～19:05 | 余興開始アナウンス | 司会進行係 | マイク、余興台本 |
| 19:05～19:25 | 余興①：ビンゴ大会 | 余興係 | ビンゴカード、景品一覧 |
| 19:25～19:30 | ビンゴ景品授与・記念撮影 | 余興係、撮影係 | カメラ、景品 |
| 19:30～19:45 | 休憩・追加オーダー確認 | 会場連絡係 | 追加ドリンクリスト |
| 19:45～20:10 | フリースピーチ／フリータイム | 司会進行係 | マイク |
| 20:10～20:15 | 本締めの挨拶 | 上司 or 幹事代表 | スピーチ原稿 |
| 20:15～20:25 | 集合写真撮影 | 撮影係 | カメラ、背景ボード |
| 20:25～20:30 | 二次会案内アナウンス | 司会進行係 | LINEリンク準備 |
| 20:30～20:45 | 退席準備・お土産配布 | 全幹事 | お土産一覧 |
| 20:45～21:00 | 会場清掃・片付け | 幹事チーム全員 | 清掃用具 |
―――――――
3-2. テンプレートのカスタマイズ方法
上記テンプレートはあくまでも基本例です。参加人数や余興の有無、会場の広さに応じて以下のポイントをカスタマイズしてください。
・開始時間の前後調整：開始時間が異なる場合は「受付開始」「乾杯」「余興開始」のタイミングを変更。
・余興プログラムの追加・削除：ビンゴ大会以外に「カラオケ」「クイズ」「写真撮影ゲーム」などを挿入したい場合は、余興タイムを増設。
・二次会案内スペース：希望者向けにLINEや幹事直通URLを案内する場合は、「二次会案内」として別枠を設定。
・アレルギー対応や子連れ対応：参加者に配慮が必要な場合は「キッズスペース準備」「アレルギー対応料理リスト」を備考に追加。
・会場オーダー時間：飲み放題終了時刻やラストオーダー時間を「20:00ラストオーダー」など明記し、会場連絡係に伝達。
これらを反映させることで、どんなシチュエーションでも応用できる自分だけの進行表が完成します。
4. 進行表活用時の注意点とトラブル対策
進行表を作成しても、想定外のトラブルが発生することがあります。幹事は以下の注意点を念頭に置き、事前に対策を講じておきましょう。
4-1. 余興が早く終わった・押した場合の予備プラン
余興が早く進んでしまった場合は、フリータイムを延長したり、サプライズ企画を追加したりして、時間を有効活用しましょう。逆に余興が予定より長引いた場合は、フリー歓談を短縮し、本締めを少し早めに行うなど、全体のバランスを崩さない対応が必要です。
予備プランとして簡単にできるミニゲーム（じゃんけん大会や一言スピーチ）を用意しておくと安心です。
4-2. 機材トラブル時の代替手段
マイクが使えない、プロジェクターが映らないといった機材トラブルはつきものです。マイクが機能しない場合は、声の通る場所で大きめに発声したり、スマホとBluetoothスピーカーで代用したりしましょう。
プロジェクターで映像を流せない場合は事前に印刷した資料を手渡ししたり、参加者のスマホでQRコードから動画にアクセスできるようにしておくと対応しやすくなります。
4-3. 時間管理とアナウンスのコツ
幹事はタイムキーパーを務め、時間が近づいたら余裕をもって「あと10分で余興開始」「あと5分で料理ラストオーダー」などとアナウンスします。
漠然と「そろそろ余興やります」と言うよりも「19時ちょうどに余興を始めますので、席をお立ちください」と具体的に伝えると参加者が行動しやすくなります。
5. 飲み会進行表をテンプレート化して再利用する方法
何度も飲み会を企画する幹事なら、一度作成した進行表をテンプレート化し、再利用できると効率が大幅にアップします。以下では、テンプレート化の手順と活用のコツを解説します。
5-1. Googleスプレッドシートで共有テンプレートを作成
Googleスプレッドシートを使うと、複数の幹事メンバーと同時編集が可能になります。まずは進行表をスプレッドシートに入力し、「時刻」「内容」「担当」「備考」の4列で構成し、セルごとに色分けして視認性を高めます。
そのうえで「コピーを作成」機能を使って、新しい飲み会ごとにテンプレートを複製し、日付やプログラム内容を更新するだけでOKです。また、「コメント」機能を活用して、注意事項や改善点をメンバー間で共有すると次回以降の改善につながります。
5-2. WordPress記事やブログに保存してリンク共有
社内の飲み会企画サイトや個人ブログに進行表テンプレートをHTMLテーブルで貼り付けておくと、いつでも誰でもアクセスできる共有ライブラリになります。
参加者向けに進行表を見せたい場合は、閲覧権限を限定したWebページにテンプレートを公開し、幹事仲間にURLを配布。幹事チームでの情報共有がスムーズになります。
5-3. フォーマットをバージョン管理して改善を重ねる
初回の進行表を作成した後は、飲み会が終わったタイミングで反省会を行い、良かった点・改善点を洗い出します。その内容を次回のテンプレートに反映させ、ファイル名に「バージョン1.1」「バージョン2.0」などのタグを付けて管理しましょう。
こうすることで、どの改善アイデアが効果的だったかを振り返りやすくなり、よりクオリティの高い進行表が完成します。
まとめ：完成度の高い進行表で飲み会を大成功に導こう
「飲み会幹事の進行表テンプレート」というキーワードをもとに、進行表作成の事前準備、具体的なタイムスケジュール例、テンプレートサンプル、カスタマイズ方法、トラブル対策、そしてテンプレートの再利用方法まで解説しました。
進行表は幹事のバイブルともいえる重要なツールです。参加者を飽きさせず、時間配分を適切に管理することで、飲み会全体を円滑に進められます。
本記事で紹介したテンプレートを活用し、必要に応じてカスタマイズすることで、どんな飲み会でもストレスなく進行できるようになります。幹事としての信頼度もアップし、参加者から「幹事お疲れ様！」と感謝されることでしょう。
ぜひ今回のノウハウを活かし、次回の飲み会を大成功に導いてください。
