結婚式招待状を手作りすることで、新郎新婦の個性や感謝の気持ちをよりダイレクトに伝えることができます。しかし、素材選びやレイアウト、文章構成など、初めてだと何をどう準備すればよいのか悩む方も多いでしょう。
本記事では、手作り招待状の魅力や準備の手順、デザインのポイント、実際に使えるテンプレート例まで幅広く紹介します。
招待状を手作りするメリットとは
手作りの結婚式招待状には、既製品にはない温かみやオリジナリティがあります。市販の招待状はデザインやフォントがあらかじめ決まっていますが、手作りなら素材や色、レイアウト、装飾まで自由にカスタマイズが可能です。
ゲスト一人ひとりへのメッセージを込めたり、新郎新婦のテーマカラーやイラストを取り入れたりすることで、招待状そのものを“二人らしさ”を表現するアイテムに仕立てられます。
また、手作りする過程でお互いの好みや結婚式のイメージをすり合わせる時間ができ、式への思い入れが深まるのも大きな魅力です。
さらに、手作りすることで費用を抑えられるケースもあります。高価なブランド紙や業者への外注を避け、100円ショップや文具店でそろえたクラフト紙やシール、リボンなどを活用すれば、材料費を抑えつつも高品質な仕上がりを実現可能です。
ただし、手間と時間がかかるため、式の2～3か月前には構想を固めて準備を開始することをおすすめします。
手作り招待状の基本構成と必要な項目
結婚式招待状には、最低限以下の情報を正確に記載する必要があります。ゲストが「いつ」「どこで」「誰の」「何の祝い」に参加するのかを一目で理解できるようにしましょう。
必須記載項目
招待状に記載するべき基本的な要素は以下の通りです。
- 新郎新婦の氏名：フルネーム＋ふりがなを記載し、読みやすく。
- 挙式日と開始時間：年月日（例：2025年〇月〇日（日））と開始時間（受付開始、挙式開始など）
- 会場名と住所：正式名称と正確な住所、アクセス方法や最寄り駅情報などを簡潔に。
- 挙式・披露宴の形式：披露宴の有無や二次会の予定など必要に応じて。
- 返信先（返信用ハガキまたはURL）：招待状同封の返信用はがき、あるいはオンラインでの出欠管理URLを記載。
これらの情報が一目でわかるように、見やすいフォントと余白を意識してレイアウトを整えましょう。日付や会場名など重要情報は文字を大きめに設定し、ゲストが迷わないよう配慮することがマナーです。
加えて記載したい項目
基本情報に加え、以下のような項目を盛り込むことで、ゲストにとってより親切な招待状になります。
- 新郎新婦からの一言メッセージ：ゲストへの感謝や式への意気込みを短い文章で添える。
- ドレスコード：カジュアル、フォーマル、和装など、式場の雰囲気に合わせた服装の指定。
- 相席や席次表についての注意事項：家族連名や友人同士の席について配慮を促す。
- 駐車場や交通機関の案内：遠方ゲストや車利用のゲストに向けた詳細情報。
招待状はあくまでも「おもてなしの一環」。ゲストが不安なく当日を迎えられるように、なるべく詳細な情報をわかりやすく盛り込んでください。
手作り招待状を作るための準備ステップ
手作り招待状をスムーズに完成させるためには、事前の準備が欠かせません。以下のステップを参考に、効率的に取り組みましょう。
①イメージとテーマを決める
まずは結婚式全体のコンセプトやテーマに合わせて、招待状のテイストを決定します。ナチュラル、ゴージャス、和モダン、シンプルなど多彩なジャンルがありますが、重要なのは式場の雰囲気と統一感をもたせること。
たとえば、ガーデンウェディングならクラフト紙と植物モチーフのイラストを合わせたり、ホテルウェディングなら高級感のある光沢紙と箔押しを組み合わせたりすると、式全体のクオリティがグッと高まります。
カラーパレットも2～3色程度に絞ると、まとまりのあるデザインに仕上がります。色が多すぎると招待状全体がごちゃついて見えるため、メインカラーとアクセントカラーを決めたうえで素材を選びましょう。
②テンプレートを選びダウンロードする
手作り招待状をゼロからデザインするのは大変ですが、無料・有料のテンプレートを利用すれば短時間でクオリティの高い紙面を作成できます。「招待状 結婚式 手作り テンプレート」で検索すると、多彩なデザインがダウンロード可能です。
テンプレートを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- カスタマイズの自由度が高いもの：文字のフォントやサイズ、色を自由に変更できるか。
- 印刷品質を考慮した解像度：印刷時に文字がぼやけず、イラストが鮮明に出るもの。
- 素材の形式（Word、Illustrator、Photoshopなど）：自分が扱いやすいソフトに対応しているか。
デザインソフトが苦手な方は、PowerPointやGoogleスライド形式のテンプレートもおすすめです。見本に沿ってテキストを入力するだけで美しいレイアウトが手軽に完成します。
③素材と道具をそろえる
テンプレートをダウンロードしたら、印刷に必要な紙や封筒、インク、装飾素材などを準備します。招待状本体におすすめの紙素材は以下の通りです。
- マット紙（厚手）：落ち着いた雰囲気で高級感を演出。筆記しやすいマットな質感。
- 光沢紙・コート紙：光沢感があり、カラー印刷が鮮やかに仕上がる。
- クラフト紙：ナチュラルやヴィンテージ風のデザインに最適で、シールや封シールとの相性が良い。
- 和紙・越前和紙：和モダンな結婚式にぴったり。しっかりした厚みと独特の質感が魅力。
封筒は招待状本体と同じテイストでそろえることで統一感が生まれます。また、リボン、シール、ワックスシール、ドライフラワー、箔押しステッカーなど装飾素材を追加すると、より華やかで印象的な招待状に仕上がります。
必要に応じて専用の用紙カッターやスコアリングツール、クラフトパンチなどを使うと、手作りの仕上がりが格段に向上します。
招待状作成に役立つ具体的テンプレート例
ここでは、季節やテーマ別に使いやすいテンプレート例を3つ紹介します。ダウンロードし、文章やフォントを差し替えるだけで、手軽にプロ並みの招待状が完成します。
◆ナチュラルテイストのガーデンウェディング向け
ガーデンウェディングやアウトドアリゾート婚におすすめのテンプレートです。ベースに白いマット紙を選び、グリーンやブラウンをアクセントにしたデザインが特徴。植物のイラストを挿入欄に用意しており、新郎新婦の名前や日付部分を手書き風フォントに設定すると暖かみが増します。
レイアウトは以下のような流れで構成されています。
- トップに新郎新婦のイニシャルロゴ
- 中央に挙式日時と会場名
- 下部に二人からのメッセージと返信用はがき案内
余白をたっぷりとり、イラストの配置を左右対称にすることで、視覚的なバランスを保っています。印刷後にリボンを結んで封をふさぐと、よりエレガントな印象になります。
◆シンプルモダンなホテルウェディング向け
スタイリッシュなホテルウェディングやレストランウェディングに最適なテンプレートです。モノトーンの配色をベースに、ゴールドやシルバーのメタリックフォントをアクセントにした高級感あふれるデザインが特徴。
内容は以下の構成でまとめられています。
- 上部：ロゴマークや新郎新婦のローマ字表記
- 中段：挙式・披露宴の詳細（日時・会場・アクセス）
- 下部：受付時間やドレスコード案内、返信先情報
余計な装飾を省き、フォントの太さと行間でリズムを生み出すレイアウトになっているため、忙しい準備期間でも短時間で完成度の高い招待状を作成可能です。
◆和モダン＆和装婚向けテンプレート
和風の結婚式を予定しているカップルにおすすめの和モダンなテンプレート。用紙は越前和紙や奉書紙を想定したデザインで、金箔風の帯や梅の枝のイラストを配置。フォントは手書き風の明朝体を使用し、格式ある雰囲気を演出しています。
以下の要素をバランスよく配した構成です。
- 上部：桜や梅をモチーフにした挿絵と新郎新婦の和名
- 中段：挙式・披露宴の日取り、会場名（神前式の場合は神社名）
- 下部：受付時間や引き出物情報、返信用はがき
印刷後に金色の水引シールを貼ったり、帯封をかけるとより格式高い仕上がりになります。ゲストに和の趣を存分に味わってもらえる招待状を手作りできます。
テンプレートを使った招待状のカスタマイズ方法
ダウンロードしたテンプレートをそのまま印刷するだけでは個性が不足しがちです。ここでは、テンプレートを活かしつつオリジナル性を高めるカスタマイズのコツを解説します。
フォントと文字装飾の工夫
フォント選びは招待状の印象を大きく左右します。シンプルなゴシック体ではなく、手書き風の筆記体や明朝体を使うことで、温かみや格式をプラスできます。また、文字色を黒一色にするのではなく、テーマカラーを部分的に取り入れてゲストの目を引くように工夫しましょう。
具体的には、新郎新婦の名前や挙式日、会場名などの重要な情報をテーマカラー（例：ネイビー、ボルドー、ゴールド）に設定し、それ以外の本文はグレーやダークグレーで統一すると、視覚的なメリハリが生まれます。
さらに、文字にドロップシャドウやエンボス加工風のエフェクトを施すと、立体感が生まれ、高級感がアップします。
装飾素材の追加で華やかさを演出
テンプレートの余白に合わせた装飾素材を追加すると、より魅力的な招待状に仕上がります。以下のアイデアを参考にしてみましょう。
- ワックスシール：封筒のフラップ部分にワックスシールを貼ると、クラシカルで高級感のある印象を与えられます。
- リボンや紐：招待状の折り部分をリボンや和紙紐で結ぶと、開くたびにワクワク感が増します。
- ドライフラワーや押し花：小さなドライフラワーを封入したり、表紙に押し花を貼ったりしてナチュラルな優しさを演出。
- 箔押しステッカー：ゴールドやシルバーの箔押しシールをアクセントに使い、高級感をプラス。
これらの装飾素材は100円ショップや文具店でも入手可能です。手作りだからこそ、素材探しからこだわって楽しむことができます。
封筒の宛名書きと差出人記載
招待状の封筒には、ゲストの名前を毛筆または筆ペンで手書きするのが正式なマナーとされています。毛筆で書く自信がない場合は、筆文字風フォントを印刷して宛名シールとして貼り付けても問題ありません。ただし、フルネームにふりがなをつけることでゲストが読みやすくなり、失礼がありません。
封筒の裏面には、差出人の住所と名前を記載します。両家連名の場合は、表面の差出人を中央に、裏面に両家の住所を揃えて書くとバランスがよくなります。また、招待状を郵送する際は、切手を余裕をもって貼り、封を閉じる前に必ず郵送方法（普通郵便、速達、書留など）を確認しましょう。
印刷と仕上げのポイント
テンプレートをカスタマイズし終えたら、いよいよ印刷と仕上げに移ります。以下のポイントをおさえることで、プロ並みのハイクオリティな招待状を完成させましょう。
家庭用プリンター vs. 印刷業者どちらを選ぶ？
家庭用プリンターで印刷する場合、手軽さとコストの低さが魅力です。ただし、用紙の厚みやインクのにじみ、色ムラが出やすいため、事前に試し刷りを行い品質を確認してから本番印刷を行いましょう。
プリンターに対応できる最大用紙厚を超えると用紙詰まりが起きることがあるため、招待状用の厚手の紙（200kg前後）を使用する場合は、プリンターの対応表をチェックしておく必要があります。
一方、印刷業者に発注するメリットは、色校正機能や用紙の選択肢が豊富で、仕上がりが安定している点です。特に大部数を大量に準備する場合や、箔押し加工やレーザーカットなど特殊加工を加えたいときは、専門業者を利用するほうが失敗がありません。
オンラインでデータ入稿し、最小ロット数で注文できる業者も増えているため、コストパフォーマンスを維持しつつ高品質な招待状が実現可能です。
印刷後のカットと折り加工
印刷が完了したら、カットと折り加工を正確に行います。家庭用のカッターマットや定規を使って自分でカットする場合は、定規のガイドに沿って刃を何度か往復させると、用紙を傷めずにまっすぐ切れます。
スコアリングツールを活用すると、折り目を美しく仕上げることができるので、招待状用の厚紙でも簡単に折り加工が可能です。
専門的な仕上がりを求める場合は、100円ショップで購入できるペーパーカッターやスコアリングボードを利用すると、均一な折り目がつきやすくなります。また、封筒に入れる際に折りジワが入らないように、折り加工した招待状を一度中性紙のクリアホルダーに挟んで保管しておくと安心です。
招待状送付のタイミングと返信タイミング
手作り招待状を完成させたら、送付のスケジュールを立てる必要があります。一般的には挙式日の約2か月前に招待状を発送し、返信期日は発送から約2～3週間後に設定します。
発送のベストタイミング
結婚式招待状は、ゲストがスケジュールを調整しやすいように、挙式日の約6～8週間前に発送するのがマナーとされています。手作りの場合は印刷からカット、封入、発送までに時間がかかるため、挙式日の3か月前にはデザインを固め、2か月前に発送できるよう逆算して準備を進めると安心です。
また、遠方ゲストが多い場合は、通常よりも早めに発送することを考慮しましょう。招待状が届いた時点でスケジュールを空けてもらえるよう、余裕を持ったタイミングで投函することが大切です。
返信期日の設定とマナー
返信期日は、招待状発送から2～3週間後を目安に設定します。この間にゲストが終日の予定を確認し、出欠の返事を送りやすくなるからです。
返信ハガキには、返事を書くスペースとあらかじめ切手を貼っておき、ゲストがそのままポストに投函できるようにしておくと親切です。返信期日が過ぎても返事が届かない場合は、電話やメールでゲストに状況を確認しましょう。
ただし、初めての結婚式準備で慌ててしまうこともありますので、返信ハガキの発送時には必ず返信期日と返信先住所を明記し、「お忙しい中恐縮ですが〇月〇日までにご返信をお願いいたします」といったフォーマルな文言を入れておくことがマナーです。
まとめ：手作り招待状テンプレートでオリジナルな結婚式を演出しよう
「結婚式招待状の手作りテンプレート」というキーワードをもとに、手作り招待状のメリットや必要な記載項目、準備ステップ、テンプレート例、カスタマイズ方法、印刷と仕上げのポイント、送付タイミングと返信期日までを網羅的に解説しました。
手作り招待状は費用を抑えつつも、新郎新婦のこだわりや個性を表現できる最高のアイテムです。デザインを決めたら、テンプレートをダウンロードして文字や装飾をカスタマイズし、用紙や素材をそろえて印刷・仕上げを行いましょう。
封筒の宛名書きや送付タイミングにも配慮すれば、ゲストにとっても失礼のない招待状が完成します。
この記事を参考にして、世界に一つだけの手作り結婚式招待状を作成し、ゲストに届く瞬間をふたりで楽しんでください。
