同窓会幹事を任されると、会の準備だけでなく、当日の“挨拶”も大役のひとつです。冒頭の挨拶次第で会の雰囲気は大きく左右され、参加者の緊張を解きほぐすかどうかが決まります。
本記事では、挨拶の基本構成からシーン別文例、緊張しないためのコツまでを徹底解説します。
挨拶の目的と押さえるべきポイント
同窓会幹事の挨拶には、参加者への感謝と歓迎、会の趣旨説明、今後のスケジュール案内など、複数の役割があります。まずは以下の3点を押さえましょう。
- 【感謝と歓迎】集まってもらったことへのお礼と温かな歓迎
- 【会の趣旨説明】同窓会の目的やテーマ(例:恩師への感謝、近況報告など)
- 【進行案内】プログラム概要や乾杯、歓談タイミングの案内
これらを簡潔に盛り込むことで、聞き手が安心して会に集中できる環境を整えられます。
挨拶の基本構成とタイミング
同窓会の挨拶は、開会直後と乾杯前の2回が一般的です。まずは開会挨拶で会の始まりを告げ、続いて乾杯の音頭を取る前に簡単な案内を挟む構成がおすすめです。
①開会挨拶の基本構成
開会挨拶は会の“顔”となるパート。以下の流れで組み立てます。
- 冒頭の挨拶・自己紹介:幹事代表としての立場と氏名を名乗る
- 感謝と歓迎の言葉:遠方やお忙しい中来場した方へのお礼
- 会の趣旨・テーマ説明:企画の背景や目的、訪問予定の恩師紹介など
- プログラム概要案内:歓談時間、余興やスピーチのタイミング
- 乾杯の音頭振りの前振り:乾杯役の紹介と呼びかけ
開会挨拶は長くても2分程度に収め、会場の熱が冷めないうちに乾杯へつなげましょう。
②乾杯前の案内挨拶構成
乾杯前の短い案内では、歓談や写真撮影、席替えのタイミングを簡潔に伝えます。
- 乾杯の音頭を取る方の紹介
- 歓談開始後の注意点(例:席移動自由、写真撮影OKなど)
- 二次会や連絡先交換の案内(あれば)
ここも1分以内にまとめ、すぐに乾杯へ移行できるようにします。
同窓会幹事挨拶の文例集
ここからは、シーン別に使える挨拶文例を紹介します。自分たちの卒業年度や参加者の属性に合わせてアレンジしてお使いください。
文例①:一般的な開会挨拶(30年卒)
「皆さま、本日はご多忙の中、○○高校30年卒同窓会にお越しいただき、誠にありがとうございます。幹事代表の△△と申します。卒業以来、久しぶりにお会いする顔も多く、胸が高鳴っております。本日は恩師の□□先生も駆けつけてくださり、私たちの青春時代を振り返る貴重な機会となります。歓談や余興など盛りだくさんのプログラムをご用意しておりますので、ぜひ存分にお楽しみください。まずは○○先生のご発声で乾杯とまいりましょう。□□先生、よろしくお願いいたします。」
文例②:恩師を招いた感謝の挨拶
「本日はお忙しい中、母校○○中学の恩師である○○先生にお越しいただきましたこと、幹事一同心より感謝申し上げます。先生には授業だけでなく、部活動や進路指導などさまざまな場面でご指導を賜り、今の私たちがあるのも先生のおかげです。本日の同窓会では、先生を囲みながら当時の思い出を語り合い、感謝の気持ちを直接お伝えできればと思っております。皆さまもぜひ、気軽に先生にお声掛けください。それでは○○先生、ご発声をお願いいたします。」
文例③:久々の集まりを祝う挨拶
「皆さん、長らく顔を合わせる機会がなかった方も多いかと思いますが、本日こうして再会できたことを本当にうれしく思います。△△高校25年卒の同窓生として、幹事を務めさせていただきます□□と申します。あの日から時が流れ、それぞれの道で活躍されていることと思いますが、今日は初心に帰り、当時の笑い声をもう一度響かせる一日にしましょう。しばし青春を取り戻し、心ゆくまでお楽しみください! それでは、皆さまご起立いただき、乾杯のご唱和をお願いいたします。」
文例④:ビジネス関係者も含めたフォーマル寄り挨拶
「各位、本日は△△大学経済学部同窓会にご参集いただき、誠にありがとうございます。幹事代表の□□□□でございます。今回は特に、現在企業でご活躍のOB・OGも多くお招きし、ビジネスにおける親睦と情報交換の場としての色合いも持たせております。同窓の絆を礎に、新たな交流とネットワーク構築の一助となれば幸いです。短い時間ではございますが、有意義なひとときをお過ごしください。乾杯の発声は、現役経営幹部の○○先輩にお願い申し上げます。」
挨拶で抑えておきたいマナーと注意点
挨拶の内容だけでなく、話し方やマナーにも注意を払いましょう。
話し方のコツ:声のトーンと速度
声のトーンは明るくハキハキと、ゆっくりしすぎず早すぎず、聞き取りやすい速度を意識してください。緊張で早口になりがちなので、原稿を何度か声に出して練習し、適切な間(ま)を入れる練習をしましょう。
原稿の持ち方とアイコンタクト
原稿は卓上に置くか、こぶし1つ分の高さの台に乗せましょう。目線をあまり原稿に固定せず、会場の中央や複数方向にアイコンタクトを取りながら進めることで、一体感が生まれます。
時間配分の確認
長すぎる挨拶は参加者の集中力を削ぎます。開会挨拶は2分以内、乾杯前の案内は1分以内を目安に、時計やタイムキーパーと連携して時間をコントロールしましょう。
挨拶原稿作成のステップ&テンプレート活用法
効率よく原稿を作るためのステップとテンプレート活用法をご紹介します。
ステップ1:キーメッセージを決める
「感謝」「歓迎」「趣旨説明」「乾杯役紹介」など、盛り込みたいメッセージを箇条書きでリストアップします。
ステップ2:シーン別テンプレートに当てはめる
上記文例を参考に、冒頭・中盤・締めの構成をテンプレートに流し込みます。固すぎる表現は避け、同窓生らしい温かみのある言葉遣いにアレンジしましょう。
ステップ3:声出し&タイム計測リハーサル
声に出して読んでみて、時間を計測します。2分を超える場合は不要箇所を削り、リズムよく伝わるよう微調整します。
まとめ:幹事挨拶で同窓会を盛り上げよう
「同窓会幹事の挨拶文例」をテーマに、挨拶の目的や構成、文例、マナー、作成ステップまでを詳しく解説しました。挨拶は同窓会の“顔”となる大切な役割です。事前準備と練習をしっかり行い、温かな気持ちとともに言葉を伝えれば、参加者全員の心に残る素晴らしい同窓会になります。
ぜひ本記事を参考に、人と人をつなぐ挨拶を実現してください。

