小学生年代は身体能力が急速に伸びる時期であり、サッカーの基礎技術を身につける絶好のチャンスです。なかでもドリブルは、攻撃の起点となる大切なスキル。
この記事では、ボールタッチの基本から応用ドリル、ゲーム形式まで、誰でもすぐにできる練習メニューを網羅的に解説します。クラブチームや家庭でのコーチングにぜひご活用ください。
なぜ小学生にドリブル練習が必要か
ドリブルはボールを自分のものにしながら前進する技術で、スペースを切り開く力やボールコントロール能力を高めます。
小学生期にドリブルを体系的に練習することで、足裏・インサイド・アウトサイドなど多様なタッチ感覚が養われ、ゲーム中の判断力や創造力も向上します。また、相手をかわす自信がつくことで、試合へのモチベーションも高まります。
ドリブル技術の基礎:正しいフォームとボールタッチ
まずは基礎中の基礎、正しいフォームとボールを扱う感覚を身につけましょう。小学生には「足元を見ずに前を向いてドリブルする」習慣をつけることが重要です。
足の内側(インサイド)のタッチ
インサイドドリブルは、ボールを安定して前に進める基本技術です。足の内側でボールの横を軽くタッチし、インステップに体重を乗せるイメージで練習します。腰を落として重心を低く保つことで、ボールコントロールが安定し、相手に奪われにくくなります。
足の外側(アウトサイド)のタッチ
アウトサイドドリブルは、マーカーや相手をかわす際に方向転換を素早く行うために欠かせません。足の外側でボールの逆側を軽くはじくようにタッチし、軸足でしっかり身体を支えることがポイントです。最初はゆっくり、慣れたらスピードを上げてトレーニングしましょう。
足裏(トゥ&ソール)のタッチ
足裏を使ったドリブルは、相手が近くにいるときや狭いスペースでボールをキープする場面で有効です。つま先(トゥ)から足裏全体にかけてボールを包むようにタッチし、後ろへも前へも自在に転がせるように練習します。
ステップ別ドリブル練習メニュー
ここからは実際にグラウンドで行う練習メニューをご紹介します。ステップ1~4に分けてレベルアップを目指しましょう。
ステップ1:基礎タッチ反復
まずはインサイド・アウトサイド・足裏の3種類をその日の練習テーマにして、エリア内を自由にドリブルさせます。時間は1種類につき2分ずつ、合計6分。フォームの確認に集中し、ボールから目を離さずにタッチ感覚を身体に覚え込ませます。
ステップ2:スラロームドリル
等間隔に置いたコーンの間を縫うようにドリブルします。最初は足の内側だけ、慣れたらアウトサイドや足裏を組み合わせて。小学生には「コーンを倒さない」を目的にすると、コントロール精度が自然と上がります。
ステップ3:数字タッチ競争
5m間隔に1~5まで数字が書かれたマーカーを置きます。コーチが示した数字を声で指示し、素早くそのマーカーまでドリブル。聞く力と判断力を磨くと同時に、反応速度も向上します。
ステップ4:1対1チャレンジ
幅3m、長さ10mの狭いコートを用意し、攻撃側と守備側に分かれて1対1。攻撃側はドリブルで相手を抜いてゴールラインを越えることが目的。守備側はボールを奪って逆サイドにドリブルできれば勝ち。ゲーム感覚で実践的なドリブルを学べます。
ドリブル練習を継続するためのコツ
小学生は飽きやすいので、練習をルーティン化しても、必ずゲーム要素や競争要素を組み込みましょう。さらに褒めるタイミングや達成感を得られる工夫がモチベーション維持に欠かせません。
達成度シール&スタンプラリー
練習メニューをクリアしたらシールを貼る「ドリブル記録シート」を作成し、達成度を可視化します。10枚たまったらコーチから小さなご褒美をもらえる仕組みで、子どものやる気を引き出します。
チーム内タイムアタック大会
スラロームコーン間をタイム計測し、週間ランキングを掲示。上位3名には練習後に好きなボールマーカーを貸し出すなど、競争心を刺激しながら楽しませると効果的です。
家庭でできるドリブル補助練習
グラウンドに行けない日には、自宅前の駐車スペースや公園でミニドリブルコースを作りましょう。段ボールや空ペットボトルをコーン代わりにすると手軽です。
壁ドリブル
壁を相手に見立て、左右のインサイドで壁にトスして返ってきたボールをドリブルしながらコントロールします。狭いスペースでの正確なタッチが身につきます。
リフティング連動ドリブル
5回リフティング後、地面に落としてそのままドリブル開始。リフティングとドリブルを組み合わせることで、リズム感とボールタッチの切り替え力を鍛えられます。
用具と環境の整え方
適切なサイズのボールとシューズ、十分なスペースを確保することも重要です。小学生には3号球、または4号球を推奨します。
ボールサイズと空気圧
3~4年生は3号球、5~6年生は4号球を使用しましょう。空気圧はメーカー推奨値のやや低め(−0.1気圧程度)にすると、タッチしやすくドリブル練習に適しています。
シューズとグラウンド選び
室内シューズや人工芝用スパイクなど、練習環境に合ったシューズを選びます。ハードグラウンドでは滑り止めが強いシューズが必要です。
まとめ:継続と楽しさが上達の鍵
「小学生のサッカードリブル練習」をテーマに、基礎タッチから応用ドリル、ゲーム形式、家庭での補助練習、用具選びまでを網羅しました。
小学生が飽きずに続けられる工夫を盛り込み、楽しみながらドリブル技術を身につけましょう。この記事を参考に、ぜひ子どもたちのドリブル力を引き出してください!

