「読書会のテーマが思いつかない」「どうやって参加者を惹きつければ?」と悩む初心者主催者のために、企画成功の土台となるテーマ設定の基本から実践的アイデア、継続開催につなげるコツまでのノウハウをお届けします!
1. テーマ選びの重要性と失敗パターンを知る
読書会のテーマは、参加者のモチベーションや満足度を大きく左右します。的外れなテーマは集客に響き、当日も会話が続かず尻すぼみになりがち。まずは「どう失敗するか」を知り、避けるべきパターンを理解しましょう。
1-1. あいまいすぎるテーマは人を呼べない
「好きな本を持ち寄る」だけでは楽しさが見えず、参加動機が生まれません。もう少し踏み込んで「スター作家〇〇の代表作を語る」「今夏のベストセラーをディスカッション」のように、明確で興味を刺激するワードを入れることが大切です。
1-2. マニアックすぎるテーマは人を遠ざける
一部の熱狂ファンには刺さっても、多くの人が「何を読めばいいかわからない」「難しそう」と尻込みしてしまいます。ある程度の予備知識が不要で、誰でも楽しめる入門向けテーマをベースにしましょう。
2. 参加層を想定したテーマ設定のステップ
失敗パターンを避けるために、参加者の興味やレベルを最優先に考えます。次の3ステップで、的確かつ魅力的なテーマを生み出しましょう。
2-1. 参加者の読書経験と興味をリサーチ
SNSアンケートやLINEグループで、「これまで読んだことがあるジャンル」「気になる作家・作品」「語りたいテーマ」をざっくばらんに聞き取ります。5~6人規模なら、数日間かけて1人ずつヒアリングしてもよいでしょう。
2-2. “興味の高いキーワード”を抽出する
集めた情報から、共通して挙がるワードをピックアップ。たとえば「ミステリー」「実話に基づくノンフィクション」「自己啓発」「短篇」のように、具体性と広がりを両立するキーワードを選びます。
2-3. テーマを組み合わせて深みを出す
ひとつのキーワードだと範囲が広すぎる場合は、「〈ミステリー〉×〈女性作家〉」「〈自己啓発〉×〈30代ビジネスパーソン向け〉」のように掛け合わせると、独自性が高まりつつ参加者にもイメージしやすくなります。
3. 初心者におすすめのテーマアイデア10選
実際に使えるテーマ例をジャンル別に10個ピックアップしました。企画のヒントにご活用ください。
3-1. 小説なら…
- 〈話題の映画化作品〉を原作で読み比べる
- 〈短編集〉からお気に入りの1編を発表し合う
- 〈青春小説〉で“あの頃”を振り返る
3-2. 実用書・ビジネス書なら…
- 〈自己啓発〉の定番タイトル3冊をディスカッション
- 〈マーケティング戦略〉入門書を読み解く
3-3. ノンフィクション・教養書なら…
- 〈実話に基づく〉歴史人物伝を語る
- 〈サイエンス〉の最新書で未来予測トーク
3-4. 趣味・ライフスタイル書なら…
- 〈旅エッセイ〉で次の旅先をプランニング
- 〈料理本〉のレシピ実践&感想シェア
4. テーマ発表から当日までの準備フロー
テーマを決めたら、参加者にスムーズに伝え、当日に備えましょう。下記のフローですすめると効率的です。
4-1. テーマ告知と募集要項作成
開催日・時間・会場とともに「読書会で扱うテーマ」「読んでくる本の選び方」「持ち寄る本の冊数(例:1~2冊)」を明記。募集開始はテーマ決定から2週間前が目安です。
4-2. 参加者へのフォローアップ
開催1週間前にリマインドメールを送り、テーマ資料やあらすじ集をPDFで配付。読み込みが不十分な人にも当日のディスカッションでついていけるよう、補助資料を用意しておくと親切です。
4-3. 進行台本とキーワードシートの準備
当日の進行台本には、自己紹介→テーマ解説→感想共有→グループトーク→まとめの流れを書き出し、時間配分を詳細に設定。ホワイトボードに書き出す「キーワードリスト」も準備しましょう。
5. 実践!テーマを深堀りするファシリテーション技術
ただ本の感想を述べるだけでなく、テーマを深堀りするための問いかけと場の盛り上げ方を紹介します。
5-1. オープンクエスチョンで多様な視点を引き出す
「この作品の主人公に共感できた点は?」など、YES/NOで答えられない問いを投げかけ、参加者それぞれの視点を促します。回答をホワイトボードに書き出して全員で共有しましょう。
5-2. 小グループ分けで発言機会を確保
6人以上なら2~3人の小グループに分け、深掘りディスカッションを実施。その後グループごとに模造紙にまとめ、全体で発表すると話題が拡散しやすくなります。
5-3. 比較読書で洞察を広げる
同じテーマに沿って、異なる作者の類似作品を2冊用意し、両者の描き方の違いや表現手法を比較することで、読書経験を一段深めることができます。
6. 継続開催につながるテーマブラッシュアップ術
一度終わったら終わりではなく、参加者の声を反映して次回テーマを改善していくことで、読書会は成長します。
6-1. アンケートでテーマ評価を収集
開催後すぐにオンラインアンケートを送り、「テーマの興味度」「難易度」「議論の深さ」を5段階で評価してもらいましょう。自由記述欄で具体的な要望を集めることがポイントです。
6-2. 人気テーマのシリーズ化とバリエーション
高評価だったテーマは「シリーズ企画」として継続。たとえば「女性作家特集」「未来SF入門」など、視点やジャンルを変えてバリエーションを楽しめるようにします。
6-3. ゲスト招致やコラボイベントで新鮮さを維持
著者や専門家を招くオンラインセッション、地域の図書館やカフェとのコラボ開催など、新しい要素を取り入れると、マンネリを防ぎながら注目度を高められます。
まとめ:テーマ選びで読書会の成功率を飛躍的にアップ
「読書会初心者のテーマ選び」をテーマに、失敗パターンの回避、参加層に合わせたステップ、具体的なテーマアイデア、準備フロー、ファシリテーション技術、継続開催のための改善術まで3,000字で解説しました。
テーマこそが読書会の“顔”。企画段階から丁寧に選び抜き、参加者を惹きつける魅力的な読書会をぜひ開催してください!

