剣道を始めたばかりの初心者にとって、最適な竹刀を選ぶことは技術習得の第一歩です。本記事では、竹刀を選ぶ際に必ず押さえておきたいポイントを詳しく解説します。
これを読めば、自信を持って最初の一本を選べるようになります。
1. 竹刀選びの基本ステップ
初心者はまず「自分に合った長さ」「扱いやすい重さ」「フィットする握り径」の3つを順番に確認しましょう。最初から高級品を選ぶ必要はありません。まずはリーズナブルな入門モデルで感触を確かめ、徐々にこだわりを深めていくのがおすすめです。
1-1. 身長別の長さ(寸法)目安
竹刀の長さは「一寸(約3cm)」単位で調整します。一般的には身長150cm未満で「2尺3寸」、150~165cmで「2尺4寸」、165~180cmで「2尺5寸」、180cm以上で「2尺6寸」が目安。ただし、実際に手に持って振りやすさを確かめることが最も重要です。
1-2. 長さの確認方法
構えたとき、柄尻が太もも付近に当たるか、先端が地面に軽く触れるかをチェック。長すぎると取り回しが重く、短すぎると間合いが取りにくくなります。
2. 重さとバランスで扱いやすさを見極める
竹刀の重さは扱いやすさと打突の威力に直結。軽すぎると打感が弱く、重すぎると振り疲れてしまいます。また、重心の位置が柄寄りか先端寄りかで振り心地が変わります。
2-1. 軽量竹刀のメリット・デメリット
軽量モデルは素振りや連続稽古に適し、初心者でも扱いやすいのが特徴。ただし、威力を感じにくく、打突時の衝撃吸収が甘い場合があります。
2-2. 中量~重量竹刀の特徴
中量~重量モデルは、打突時の重みが伝わりやすく威力を実感しやすい反面、腕や手首にかかる負担が大きいので、基礎体力がついてから検討するとよいでしょう。
3. 握りの太さと握り皮(柄革)の選び方
竹刀の柄(つか)部分の太さや握り皮の素材・厚みによってフィット感が大きく異なります。手の大きさや好みに合わせて最適な握りを選びましょう。
3-1. 握り径のチェック方法
柄を握ったとき、中指と薬指の間に隙間ができず、手のひら全体がしっかり密着する太さが理想。細すぎると回転しやすく、太すぎると握力を使いすぎて疲れます。
3-2. 握り皮の素材別特徴
ビニール製は耐久性・防水性に優れ、手入れが簡単。天然革製は滑りにくくフィット感が高い反面、乾燥や伸び縮みに注意が必要です。
4. 素材・製法の違いを理解しよう
竹刀の素材は主に孟宗竹(もうそうちく)と雲南竹(うんなんちく)の2種類。製法も「焼き入れ」「特殊加工」などがあり、耐久性や打突感に違いが出ます。
4-1. 孟宗竹と雲南竹の比較
孟宗竹はコシが強く耐久性に優れる一方、価格は雲南竹より高め。雲南竹は柔らかく打突感がマイルドで、初心者向けの入門モデルに多く使われます。
4-2. 焼き入れ加工のメリット
焼き入れ加工を施すと竹が硬くなり、耐久性が格段にアップ。ただし、表面の硬さが増すため打突時の衝撃がやや鋭く感じられる場合があります。
5. メンテナンスと交換タイミング
選んだ竹刀を長持ちさせるためには、日常のメンテナンスが欠かせません。メンテナンス不足や割れが進んだ竹刀は、稽古中の事故につながることもあるため、定期的な点検と交換を行いましょう。
5-1. 日常の手入れ方法
稽古後は泥や汗を柔らかい布で拭き取り、直射日光を避けて風通しのよい場所で乾燥させます。握り皮が緩んできたら早めに交換しましょう。
5-2. 交換の目安とサイン
竹が割れて内部の芯が見える、竹のしなりが著しく低下した場合は交換時。割れをテーピングして使い続けると剣道具や相手に傷を付ける恐れがあります。
まとめ:自分にぴったりの竹刀を手に入れ、稽古を加速させよう
初心者が竹刀を選ぶ際は、身長に合った長さ、扱いやすい重さ、手にフィットする握り径、そして予算・メンテナンス性を総合的に判断することが大切です。この記事を参考に、最初の一本からしっかり自分に合った竹刀を選び、剣道稽古を思い切り楽しんでください。

