フットサルコートにおける人工芝は、プレーの安全性や快適性を大きく左右します。適切に管理されていないと、芝の毛足が寝てしまったり、砂詰まりが進行してボールの転がりが不安定になるだけでなく、摩耗が早まり交換費用が膨らむ原因となります。
本記事では、日常から年次まで段階的に行うべきメンテナンス方法を詳しく解説し、長期的に質の高いコート環境を維持するポイントをお伝えします。
日常清掃:毎日行いたい基本ルーティン
人工芝表面には、砂やホコリ、落ち葉などのゴミが日々たまります。まずは、コート使用後にほうきやブロワーで微細な埃を吹き飛ばし、落ち葉やゴミは手作業で取り除きましょう。
特に砂のかたまりや泥がついたままだと、排水性を阻害し水たまりの原因になりますので、軽くブラッシングをかけるだけでも効果的です。
週間メンテナンス:ブラッシングと目土補充
人工芝の毛足は、プレーの摩擦で徐々に倒れてきます。週に一度は専用のT型ブラシを用いて、毛足を起こすようにまんべんなくブラッシングしましょう。ブラッシング後には、目土(シリカサンドやゴムチップなど)を必要量補充し、毛足を支えるクッション性と排水性を回復させることがポイントです。
ブラッシングのコツ
毛足の流れに逆らう方向でゆっくり大きく動かすと、根元からしっかり起き上がります。力を入れすぎず、一定の速度で往復動作を繰り返すのがコツです。
月次メンテナンス:ディープクリーニングと消毒
月に一度は、ブラシ清掃後に清水を散布し、ほこりや細菌を洗い流すディープクリーニングを行いましょう。汚れがひどい箇所には、中性洗剤を希釈した溶液でブラッシングし、その後しっかりと水洗いしてください。
また、湿気が多い季節や使用頻度が高い場合は、専用の除菌・抗菌剤を散布し、カビや細菌繁殖を抑えることで安全なプレー環境を保てます。
季節ごとの対策:梅雨・冬場の注意点
梅雨時期は排水性が低下し、水たまりが発生しやすくなります。排水溝や縁石周りの詰まりを毎週チェックし、ゴミや枯れ葉が溜まっていないか確認しましょう。
冬場は積雪や凍結による芝表面のダメージを防ぐため、雪かきはプラスチック製のスコップで優しく行い、凍結時の歩行も極力避けることが求められます。
年次メンテナンス:目地補修と部分張替え
人工芝はおおむね5~8年が交換の目安ですが、年に一度はジョイント部分や縫い目のほつれ、目地の浮き上がりを点検しましょう。
裂けやめくれを発見したら速やかに補修テープや補強シートで補修し、広範囲の損傷がある場合は部分張替えを検討します。定期的なプロによる点検を組み合わせると、未然に大きなトラブルを防げます。
衛生管理と安全対策
人工芝表面には、汗や皮脂、泥などが付着しやすい環境です。月次の清掃に加えて、抗菌処理を継続的に行うことで、雑菌繁殖による臭いやアレルギーリスクを軽減できます。また、定期的に抗菌性能を持つインフィル(ゴムチップ)へ更新を行い、クッション性と衛生面の双方をアップデートしましょう。
コスト削減と長寿命化の工夫
日々の簡易清掃やブラッシングを怠らないことで、プロによる高額なメンテナンス頻度を下げられます。さらに、雨天後に早めの排水チェックを行う、適切な目土材を選ぶなど、初期投資を最適化しながら定期メンテナンス計画を立てることで、ランニングコストを抑えつつ人工芝の寿命を延ばせます。
まとめ:快適&安全なフットサルコート環境の維持
人工芝メンテナンスは、日常のちょっとした手間を積み重ねることが長期的なコスト削減と安全性の向上につながります。本ガイドを参考に、短期・中期・長期のメンテナンスルーティンを構築し、いつでもベストコンディションのフットサルコートを実現してください。

