夏の海水浴は、家族や友人との思い出を写真に残す絶好のチャンスです。砂浜でのスナップや波打ち際の波しぶきまで、美しいシーンをカメラに収めたいものです。
近年ではドローンを使った空撮も人気ですが、海水浴場でのドローン飛行は法律や条例、マナーに留意しなければトラブルの原因にもなります。
本記事では、地上撮影からドローン空撮まで、安全かつ合法に楽しむためのポイントを専門的視点で丁寧に解説します。
海水浴場での写真撮影の魅力と基本マナー
海水浴場は海と空、そして人々の笑顔が織りなす景観を一度に撮影できる贅沢なロケーションです。スマートフォンでも一眼レフでも、光と影のコントラストを活かした写真表現が可能で、多彩な構図が楽しめます。
ただし、他の利用者のプライバシーや安全を尊重し、周囲への配慮を忘れないことが基本です。
撮影時の配慮ポイント
撮影時には、他のお客さんが背景に入らないよう配慮しましょう。望遠レンズを多用して無断で他人を大きく写すことはトラブルにつながります。また、フラッシュ撮影が眩しすぎる場合もあるため、特に子どもや高齢者がいる場合は光を調整するなど気配りが必要です。
写真撮影に適した時間帯
日の出直後や夕方のマジックアワーは、空と海がオレンジやピンクに染まり、ドラマチックな写真が撮りやすい時間帯です。また、午前10時前後の柔らかな光も海水浴シーンには最適。真昼の強い日差しはコントラストが強く出すぎるため、適宜NDフィルターを活用すると仕上がりが美しくなります。
ドローン空撮のメリットとリスク
ドローンを使えば、上空から海岸線を俯瞰したダイナミックな映像や、水面に映る人々のシルエットをフィルムに収められます。地上からは得られない迫力のある写真や動画は、SNSでも高い反響を呼びます。ただし、墜落や海水による機材故障、他人への接触事故などリスクも少なくありません。
ドローン空撮のメリット
- 広範囲を一度に撮影できる俯瞰視点
- 海岸線の地形や遠浅の様子をわかりやすく記録
- 動画撮影で波の動きや移動する人々の様子をダイナミックに表現
ドローン空撮時の主なリスク
- 海風や突風による機体飛行不安定化
- 海水への落下による故障・紛失リスク
- 他の海水浴客や水上アクティビティ利用者との衝突
海水浴場でドローン撮影が許可される条件
ドローン撮影を行うには国土交通省の定める航空法や、各自治体の条例に従う必要があります。特に海水浴場は多くの人が集まる「人口集中地区」に該当する場合があり、飛行許可・承認が必須です。無許可での飛行は法律違反となり、罰則の対象にもなります。
航空法上の必要手続き
人口集中地区での飛行には、国交省への「飛行許可・承認申請」が必要です。申請では飛行日時、飛行経路、高度、機体情報、操縦者情報などを詳細に提出し、審査を受けます。審査通過後は許可書を携行し、常に提示できるようにしておきましょう。
各自治体条例の確認
海水浴場ごとに管轄する市町村が独自にドローン飛行を規制しているケースがあります。許可申請の前に、必ず自治体公式サイトや管理事務所窓口で最新ルールを確認し、必要に応じて追加申請を行ってください。
ドローン撮影の事前準備と申請方法
ドローンを海水浴場で使う前には、機体点検やバッテリー管理だけでなく、申請書類の準備も入念に行いましょう。写真撮影目的や安全対策、緊急時の対応計画を含めた飛行マニュアルを作成し、関係各所への共有が望まれます。
機体・装備の点検事項
海風にさらされる環境では、防錆処理やプロペラガードの装着が有効です。飛行前にはGPS受信状態、ジャイロセンサー、バッテリー残量、モーター回転テストを必ず実施し、異常がないことを確認してから飛行を開始します。
許可申請に必要な書類と手順
国交省の飛行許可申請フォームに加え、撮影場所の地図、飛行経路図、安全対策マニュアル、操縦者の資格証明書を添付します。オンライン申請後、通常2~3週間で許可がおりますが、夏季の繁忙期は審査に時間がかかるため、余裕をもって申請しましょう。
海水浴写真撮影のマナーと注意点
ドローンだけでなく、地上撮影でも他者への配慮は欠かせません。個人情報保護や肖像権に配慮し、被写体が明確に分かる人物を撮影する場合は必ず許可を得ましょう。また、海岸やビーチ施設の所有者が設けた撮影ルールにも従います。
人物撮影時の許可取得方法
分かりやすい範囲でカメラを向ける場合は、口頭で「写真を撮ってもよろしいですか?」と事前に声をかけ、了承を得ます。グループ撮影イベントなど大勢を一度に撮影する場合は、事前に簡単な同意書や案内掲示を用意すると安心です。
ビーチ施設のルール確認
海の家や更衣室、シャワー設備を撮影する場合は、施設管理者への許可が必要です。撮影が禁止されているエリアでは、スマホ・カメラを構えないよう十分注意しましょう。
安全に楽しむドローン操縦のコツ
ドローンを海上で安定飛行させるには、風の状況やバッテリー消費を常に意識した操作が求められます。波に映るシルエットを狙う場合は低速モードで滑らかな動きを心掛け、GPSが不安定な場合に備えてATTIモードの練習も重ねましょう。
風速と飛行高度の目安
風速5m/s以上では安定飛行が困難になるため、飛行前に風速計で確認。海面から30m以内の高度で飛行することで、電波障害リスクを抑えつつ、迫力ある空撮が実現します。
緊急着陸のためのポイント
海へ不時着陸した際に機体を回収できるよう、ドローンに浮力装置を取り付けると安心です。また、緊急用の手動着陸ボタンや、操作範囲を可視化するフェンス設定を活用し、不測の事態に備えましょう。
トラブル回避のためのチェックリスト
飛行前チェックリストを活用すると、抜け漏れなく準備を進められます。安全確認から法律順守、機材点検まで一度に網羅できるよう、以下の項目をプリントアウトして活用してください。
飛行前チェックリスト例
- 航空法・自治体条例の許可取得状況確認
- 天候・風速・潮位の最終チェック
- 機体・バッテリー点検&防錆装備の確認
- 周囲の安全確認(人や物との距離、エリア確保)
- 緊急時の連絡先・回収手順の共有
まとめ:海水浴場で合法&安全にドローン空撮を楽しもう
海水浴でのドローン撮影は、夏のビーチを新たな視点で切り取る魅力的なテーマです。地上撮影でのマナーや許可取得、ドローン飛行に必要な法律手続きと安全対策をしっかり押さえれば、安心して空撮を楽しめます。
本記事を参考に、事前準備と周囲への配慮を徹底し、夏の海辺で素晴らしい写真・映像を残してください。

