リモートワークやハイブリッド勤務が定着する中、会議の生産性向上は組織の重要課題です。単にビデオ会議ツールを導入するだけでは、資料配布や議事録の共有、タスク管理に手間が残りがちです。そこでおすすめしたいのが、プロジェクト管理プラットフォーム「Monday.com」です。
本稿では、会議前の準備から当日の進行、終了後のフォローアップまでを詳しく解説します。
1. Monday.comで会議を管理するメリット
1.1 全ての情報を一元化できる
会議資料、参加者リスト、アジェンダ、議事録、タスクの進捗。通常は複数のツールを行き来して管理する必要がありますが、Monday.comのワークスペースに集約すれば探す手間が省けます。各アイテムはボード上で可視化され、誰が何をいつまでに行うかが一目でわかるようになります。
1.2 リアルタイムでアップデート可能
オンライン会議中に参加者がコメントを投稿したり、タスクのステータスを更新したりできるため、会議の内容が即座に反映されます。会議後に改めて情報をまとめ直す必要がなくなり、その場で合意事項や次のアクションを確定できるのが大きな強みです。
2. Plan：会議用ボードの設計と準備
2.1 会議テンプレートボードの作成
まずは会議専用のテンプレートボードを作成します。列には「議題」「担当者」「現在のステータス」「期限」「備考」など、会議運営で必要な項目を揃えます。テンプレートとして保存しておくことで、次回以降のボード作成がワンクリックで完了し、準備負荷を大幅に削減できます。
2.2 参加者の招待と権限設定
社内メンバーや外部ゲストをワークスペースに招待し、会議ボードへのアクセス権限を適切に設定します。参加者全員に「編集者」権限を付与するか、必要に応じて「ビューアー」にとどめるかを検討しましょう。権限設定を明確にしておくことで、不要な編集ミスや情報漏えいを防げます。
3. Do：会議当日の運営と共創
3.1 アジェンダの共有と合意
会議開始前にテンプレートボードを会議室の画面や参加者のデバイスに共有し、本日のアジェンダを全員で確認します。各議題ごとに所要時間を設定し、タイムボックスを活用することで、時間超過や脱線を防ぎ、効率的に進行できます。
3.2 リアルタイムコメントと投票機能
Monday.comのアップデートコメント機能を使えば、議論中に参加者が直接意見を投稿できます。また、投票カラムを利用すれば複数案の中から優先度を即時に集計し、合意形成をスピードアップできます。これにより、メールやチャットでのやり取りを減らし、議論に集中できます。
4. Check：会議後のフォローアップとタスク管理
4.1 議事録の自動生成と共有
会議中のコメントや決定事項は、そのままMonday.comのアイテムとして残ります。会議終了後はボードの「ステータス」列を見返すだけで、議事録が自然と完成します。生成されたボードをPDF化してメールやSlackで共有すると、確実に全員へ伝達できます。
4.2 タスクのアサインと進捗トラッキング
議論の結果生まれたアクション項目は、ボード上で担当者と期限を設定し、その場でアサインします。進捗カラムには「未着手」「進行中」「完了」などを設定しておき、ダッシュボードやチャートビューで完了率を常時モニタリングしましょう。
会議だけでなく、プロジェクト全体の進行管理にも活用できます。
5. Act：継続的改善と運用定着化
5.1 定期レビューとボード改良
月次や四半期ごとに「会議運営レビュー」を行い、テンプレートボードの使い勝手やカラム構成を振り返ります。必要最低限の欄に絞り込むことで、情報過多を防ぎ、参加者の混乱を回避します。常にシンプルな設計を目指すことが定着化のポイントです。
5.2 社内ナレッジベースとの連携
週次会議や部門横断会議など、定型的に利用するボードはそのままナレッジベースとして蓄積しましょう。過去のボードを参照しながら、新規プロジェクトや新人教育に活用することで、会議の成果を組織のノウハウとして長期的に残せます。
6. Monday.comの高度機能を駆使した応用テクニック
6.1 自動化レシピで通知とタスク移行を自動化
Monday.comの自動化レシピを使うと、「ステータスが『完了』に変わったらSlackで通知」「期限が近づいたタスクを定期的に担当者へリマインド」などのワークフローをノーコードで設定可能です。手動作業を減らし、ヒューマンエラーを防止します。
6.2 ダッシュボードとウィジェットで全体俯瞰
ダッシュボード機能を活用すれば、複数の会議ボードから重要な指標をウィジェットで集約できます。進捗グラフ、未完了タスク数、チームメンバーの負荷状況などをリアルタイムで可視化し、マネジメント層への報告資料としても活用可能です。
7. 導入事例：Monday.comで会議品質を向上させた企業
7.1 ITベンチャーC社の開発会議最適化
C社では週次の開発ステータス会議にMonday.comを導入。バックログアイテムと会議アジェンダを同一ボードに並べることで、会議中に優先度を再設定。スプリント内の完了率が15％向上し、リリース遅延が大幅に減少しました。
7.2 製造業D社の品質改善会議
D社は月例品質レビュー会議で不具合報告と対策タスクを一元管理。自動化レシピで「新規不具合が登録されたらエンジニアチームにSlack通知」を実装し、初動対応時間を30％短縮。結果として、翌四半期の不具合再発率が20％減少しました。
8. よくある失敗とその回避策
8.1 ボードが複雑化して参照されなくなる
多くのカラムや自動化を詰め込みすぎると、新規参加者が使いこなせず混乱します。対策は、必要最小限のカラムに絞り、各カラムの目的と入力例を説明するツールチップを設定することです。
8.2 自動化通知がスパム化
あらゆるトリガーで通知を設定すると、逆に重要な通知が埋もれてしまいます。通知は優先度の高いものに限定し、頻度を管理することで、ユーザーの受信抵抗感を抑えましょう。
まとめ：Monday.comで会議を次世代型のワークフローに進化させる
Monday.comの使い方は、会議準備から当日の運営、終了後のフォローアップと継続的改善までを一気通貫でカバーするテクニック集です。
テンプレートボード、リアルタイムコメント、自動化レシピ、ダッシュボード活用を組み合わせることで、会議を単なる情報交換の場から、即時アクションにつながる戦略的ワークフローへと進化させられます。
本稿を参考に、Monday.comを使いこなし、貴社の会議運営を次のステージへ押し上げましょう。
