お盆はご先祖さまを迎え、送り出す日本の大切な行事です。伝統的なお盆飾りに加え、DIYで和紙を取り入れた手作りアイテムを用意すれば、ご家庭の仏壇や玄関が一層華やかになります。
本記事では、和紙の選び方から基本の提灯作り、花やガーランドのアート、設置・保管まで網羅。初心者から上級者まで活用できる専門的ノウハウをお届けします。
お盆飾りDIYの魅力と和紙の特徴
手作りお盆飾りの醍醐味は、自分好みの色柄やサイズを自在に表現できる点です。既製品にはないあたたかみが伝わり、家族で共に作業することで行事への思い入れが深まります。特に和紙は、透け感や質感が豊かで、柔らかな光を通す性質を持つため、提灯やランプシェードに最適です。
また、和紙には楮(こうぞ)や三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)など原料ごとに風合いが異なり、用途に合わせて選ぶ楽しみもあります。
準備する材料と道具
和紙の種類と選び方
和紙は無地の白だけでなく、薄い黄味を帯びた生成りや、桜や流水柄の千代紙など多彩に揃います。提灯には厚手の楮紙を、花や飾りには薄手の雁皮紙を使うと仕上がりが美しくなります。
購入先はクラフトショップや和紙専門店、オンラインでも多くの種類が手に入りますので、用途と予算に合わせて選びましょう。
必要な道具と下準備
基本的に必要な道具は、カッターナイフ、金属定規、カッティングマット、木工用ボンド、両面テープ、筆(のり付け用)、筆記具(シャープペンシルや油性マーカー)、はさみ、作業用手袋です。作業スペースには新聞紙やビニールシートを敷き、ボンドのはみ出しを防ぎます。
和紙は折ジワが付きやすいので、使用前に軽く伸ばして平らな状態に整えておくと扱いやすくなります。
基本の和紙提灯の作り方
骨組み作成の手順
直径15cm、高さ25cmを目安に、厚紙または薄い合板で上下の円形枠を2枚カットします。次に竹ひごまたはワイヤーで縦骨を8~12本作り、上下の枠に差し込んで十字に固定します。骨組みが安定したら、ワイヤーの結び目や接合部にボンドを少量塗り、強度を高めて乾燥させます。
和紙貼りと仕上げ
骨組みに和紙を巻きつけ、上下の枠に木工用ボンドまたは両面テープで貼ります。表面のシワは中心から外側へ向かって指でならし、空気を抜くように仕上げましょう。和紙が乾いたら、透かし模様をカットした千代紙を裏側から貼るなど、二重構造で光の陰影を演出します。最後に提灯上部に吊り下げ用の紐を取り付ければ完成です。
和紙で作る盆花アート
和紙の千代紙花で彩る
折り紙感覚で和紙を折り、花弁をハサミで切り抜きます。5枚の花弁を貼り合わせて花芯を作り、グリーンの和紙で葉を形作ってボンドで固定しましょう。花の中心に小さく折った和紙を巻きつけると立体感が増し、仏壇の前に数輪並べるだけで明るい雰囲気になります。
立体的な和紙蓮の作り方
薄手の雁皮紙を用意し、縦横5cm四方にカット。正方形を中心に向かって三角に折り、底をカットして重ねると蓮の花が完成します。花びらは6~8枚ほど重ね、最後に黄色やオレンジの和紙ボールを花芯として貼り付けるとリアルな仕上がりに。蓮はお盆の仏花としても意味深いモチーフです。
和紙ガーランドと水引飾り
和紙ガーランドの作り方
和紙を幅3cm、長さ20cmに裁断し、蛇腹折りにします。折り目を開いた状態で中央を糸で縫い止めると扇状になります。扇を複数作り、紐に並べて吊るせば和風ガーランドの完成。色や柄の組み合わせで季節感を調整できます。
水引で和紙を引き立てる技
水引を結び、和紙ガーランドの間にアクセントとして挟むと、高級感が増します。基本の「梅結び」や「あわじ結び」は練習すれば子どもでも習得可能。赤白の水引を交互に配置すると、お祝いと清めの意味を兼ねたお盆飾りになります。
屋内外で映える設置アイデア
仏壇周りの和モダン演出
仏壇の左右に和紙提灯を配置し、中央上部にガーランドを飾ると統一感が生まれます。背面の壁に和紙の透かしパネルを立てかけ、LEDライトを背後に置くと、淡い光が和紙を通して柔らかく広がります。
玄関・ベランダのライトアップ
屋外では防水LEDキャンドルを提灯に入れ、玄関先やベランダに並べましょう。和紙提灯の下部に短い足を付けて台座にすると、風で揺れても安定します。夜間だけ点灯し、昼間はガーランドや花アートが彩りを添えます。
メンテナンスと保管方法
湿気対策と防虫
和紙は湿気に弱いため、使用後は風通しの良い日陰で十分に乾燥させます。防虫剤は直接和紙に触れないよう、箱の隅に置くと安心です。定期的に状態をチェックし、シミやカビが見つかったら乾いた布で優しく拭き取ります。
シーズンオフの収納
立体パーツは型崩れしないよう厚紙の間に挟んで保管し、和紙パーツはクリアファイルに入れて保護袋へ。湿気を防ぐため、乾燥剤や防虫剤と一緒に密閉コンテナに収納してください。来年も美しい状態で再利用できるでしょう。
まとめ:DIY和紙お盆飾りで伝統を未来へつなぐ
「DIY和紙お盆飾り」は、手作りの温かみと和紙独特の質感で、ご先祖さまを心を込めてお迎えできるプランです。提灯、盆花、ガーランド、水引など、多彩な和紙クラフトを組み合わせることで、伝統行事を現代のインテリアにもマッチさせられます。
この記事を参考に、ご家庭だけのオリジナル和紙お盆飾りを完成させ、家族でつながる時間をお楽しみください。

