打ち合わせを円滑に進める鍵は “進行役” のスキルにあります。特に初めて担当する人にとっては、時間配分や議論の整理、参加者の巻き込み方など悩むポイントが多いはずです。
本記事では、準備から当日、フォローアップまでの一連の流れと、押さえるべきポイントを具体的に解説します。
1. 打ち合わせ事前準備：成功を左右する３つのポイント
打ち合わせ前の準備が不十分だと、当日の進行に支障をきたします。以下の３点を必ず確認し、しっかり準備しましょう。
1-1. 目的とゴールの明確化
まず、打ち合わせの目的をはっきりさせます。「情報共有」「課題抽出」「意思決定」など、何を達成したいかを冒頭で共有すると、参加者全員の意識が揃い、無駄な議論を防げます。
1-2. アジェンダの作成と配布
議題ごとに「テーマ」「所要時間」「担当者」をまとめたアジェンダを作成し、開催3日前までに配布します。これにより、参加者は事前に資料を読み込み、当日は主体的な発言がしやすくなります。
1-3. 資料・環境のチェック
スライドや配布資料のファイル名・バージョンを統一し、プロジェクターやネット回線、マイクなど機材の動作確認を行いましょう。当日慌てずに進行できます。
2. 打ち合わせ当日の進行術：時間管理とファシリテーション
本番では「時間管理」「脱線防止」「意見の引き出し」が進行役の大きな役割です。具体的なテクニックを紹介します。
2-1. タイムキーピングでメリハリをつける
アジェンダに沿って各議題の残り時間を声に出し、全員に共有します。時間オーバーの兆候が見えたら「残り５分です」とアナウンスし、結論まとめに誘導しましょう。
2-2. 脱線をソフトに戻す方法
議題から外れた発言が始まったら、「その議題は次回アジェンダに加えてよろしいでしょうか？」と提案し、本筋に引き戻します。否定せず、後回しという形で参加者の意欲を損なわずにコントロールできます。
2-3. 参加者の意見を引き出すファシリテーション
会議中に発言が偏る場合は、「〇〇さんのご意見はいかがでしょうか？」と指名発言を促します。また、黙っている人には「簡単で構いませんので、一言いただけますか？」と声をかけ、全員参加を図りましょう。
3. 打ち合わせ資料共有と議事録の取り方
議論を記録し、会議後のアクションにつなげるためには、効率的な資料共有と議事録作成が欠かせません。
3-1. クラウド共有で最新版を常に提供
Google DriveやOneDriveなどを使い、資料の最新版をリアルタイムで参照できる状態にします。URLをチャットに貼るなど、参加者が手元の資料と齟齬なく進行できる環境を整えましょう。
3-2. 議事録は「決定事項」「アクションアイテム」に絞る
議事録を詳細に書きすぎると読み飛ばされがちです。各議題につき「誰が何をいつまでに行うか」を簡潔にまとめ、打ち合わせ終了後24時間以内に共有します。
4. 打ち合わせフォローアップ：次回につなげる振り返り
効果的なフォローアップで、打ち合わせを次の成果につなげましょう。
4-1. 進捗確認ミニミーティング
リアルタイムにSlackやTeamsで「アクション確認チャット」を立ち上げ、進捗状況や障害情報を都度報告してもらいます。小まめな確認でタスクの遅滞を防止できます。
4-2. 振り返りと改善点の共有
次回開催時に、前回の進行で良かった点と改善すべき点を冒頭で1分ずつ振り返ります。参加者からのフィードバックをもとに、アジェンダや進行方法をブラッシュアップしましょう。
5. 打ち合わせの初心者進行役が陥りやすい失敗と対策
進行役初心者がよく直面するトラブルと、その解決策をまとめました。
5-1. 時間オーバーしてしまう
対策：議題ごとに「必須事項」と「任意事項」を区分し、必須だけは絶対にカバーするよう優先順位をつけます。
5-2. 意見が出ず沈黙が続く
対策：ホワイトボードを使ってアイデアを可視化し、参加者が書き込める時間を設けることで、言語化しやすい雰囲気を作ります。
5-3. 一部メンバーの独壇場になる
対策：ラウンドロビン方式で順番に発言を回すか、発言カードを用意し、参加者全員に発言機会を均等に配分します。
まとめ：進行役スキルを磨いて生産性アップ
「打ち合わせ進行役のコツ 」をテーマに、事前準備、当日進行、資料共有、フォローアップ、失敗対策までを網羅しました。進行役としての経験を重ねることで、自信をもって会議をリードできるようになります。この記事を参考に、次回の打ち合わせからぜひ実践してみてください。
