飲み会を企画するとき、幹事に求められるのは段取り力とトラブル対応力です。その土台となるのが、何をどこまで準備するかを明確にした持ち物チェックリストです。
本記事では、幹事が現場で慌てないための必須アイテムを網羅的に解説します。
はじめに：幹事の役割と持ち物リストの重要性
飲み会幹事は、会場選定から参加者管理、当日の進行まで多岐にわたる業務を担います。事前準備を怠ると、受付や支払いの場面で混乱が生じ、参加者の満足度が下がる可能性があります。そこで役に立つのが、持ち物チェックリストです。
持ち物リストを作成することで、必要な道具や連絡先を一元管理でき、当日のトラブルを最小限に抑えられます。
本章では、飲み会幹事としてまず押さえておきたい基本的な役割と、持ち物チェックリストを整える意味について説明します。これにより、準備の優先順位が明確になり、運営全体をスムーズに進行できます。
幹事の基本役割と持ち物準備のポイント
幹事の主な役割は、日時と会場の決定、参加者への連絡、予算管理、当日進行です。持ち物リストを作成する際は、これらの業務フローに沿って必要アイテムを整理します。例えば、受付用のリストや参加者の名簿、会場周辺の地図などは、参加者管理という役割に直結しています。
また、トラブル対応として救急グッズや予備のマスク、ウェットティッシュなどを用意しておくと、急な参加者の体調不良や衛生面の問題に即対応できます。つまり、幹事として果たすべき役割を俯瞰し、それぞれに必要な持ち物をピックアップすることが大切です。
持ち物チェックリスト作成の手順
チェックリストを作成する際は、まず「開催前」「開催中」「開催後」のフェーズに分けてアイテムを整理します。
開催前にはリストや会費徴収ツール、開催中は受付用品や救急グッズ、開催後は写真共有用のUSBメモリやお礼連絡先などを準備します。これにより、時系列で必要な物を漏れなく用意できます。
また、オンライン上にスプレッドシートを用意し、幹事メンバーや協力者とリアルタイムで共有すれば、情報の更新漏れを防ぎつつ、タスク分担が明確になります。チェックボックス形式にしておくと、当日の進捗確認もスムーズです。
飲み会当日に持っていくべき基本アイテム
飲み会当日は、受付から支払い、席決め、余興準備など、多くの局面で持ち物が必要になります。ここでは幹事が忘れてはいけない基本的なアイテムを紹介します。
参加者リストと連絡先情報
まず必須なのが参加者リストと連絡先情報です。開催日前日までに最終的な参加者数を確定し、その情報をプリントアウトしておきましょう。参加者リストは受付時に出欠確認するだけでなく、急な欠席連絡や連絡ミスを防ぐためにも役立ちます。
リストには氏名、連絡先電話番号、緊急連絡先を記載しておくと、当日のトラブル発生時に迅速に対応できます。なお、スマートフォンで参加者データを保存し、オンライン共有しておくと、印刷漏れや紛失時にもすぐに参照できるので安心です。
予算管理ツールと現金・クレジットカード
会費徴収や会場支払いに備え、現金とクレジットカードは必ず用意しましょう。会費を現金で徴収する場合は、集金用の封筒やお釣り用の小銭入れが必要です。会費精算用の電卓やスマートフォンの計算アプリも忘れずに準備してください。
クレジットカード決済を利用する場合は、リーダー端末やQRコード決済アプリを事前にテストしておきます。オンライン決済できる場面を用意すると、参加者の利便性が向上し、当日の会計がスムーズになります。
スケジュール表とタイムキーパー用時計
飲み会本番では、プログラム進行が遅延すると参加者の満足度が下がります。受付開始時間、挨拶タイム、ゲームや余興の開始・終了時間などをまとめたスケジュール表を用意し、タイムキーパー用にストップウォッチやスマートフォンのタイマーアプリを活用しましょう。
幹事は常に進行状況を把握し、予定通りにプログラムを進める役割があります。スケジュール表を手元に置き、開始5分前には次の企画準備を促すアナウンスを行うと、遅延を最小限に抑えられます。
場所取り・受付準備に必要な道具
飲み会会場に到着したら、すぐに受付と席配置を行う必要があります。下記のアイテムを準備しておくと、受付業務がスムーズになります。
名札・席次表・受付用リスト
参加者の名前が分かる名札や胸札を事前に印刷し、番号付きの席次表を用意します。席順をあらかじめ決めておけば、初対面の参加者同士でも自己紹介がスムーズになります。受付では参加者に名札を配布し、「○番テーブルにお座りください」と案内できるようにしておきましょう。
また、受付用リストを机に置き、参加者の到着時間をチェックすると、受付ミスが減ります。参加者が多数いる場合は、受付スタッフを複数配置し、列ができないように配慮しましょう。
筆記用具・メモ用紙
受付やゲーム進行で備考を記録するために、筆記用具とメモ用紙は必須です。特にお店への追加注文や会計のメモなど、何かとメモする機会が増えるため、数本のペンとA4サイズのメモ用紙を用意しておくと安心です。
会場によっては筆記台がない場合もあるため、携帯できる小型クリップボードやノートを持参すると、どこでも記録がしやすくなります。
スマートフォン充電器・モバイルバッテリー
受付やゲーム進行でスマートフォンを多用する幹事にとって、充電切れは大きな痛手です。会場では電源場所が限られていることが多いため、モバイルバッテリーを複数台持参し、スマートフォンやタブレットの充電に備えましょう。
モバイルバッテリーには大容量タイプを選ぶと、長時間のイベントでも安心して利用できます。さらに、受付用のQRコード決済や写真撮影にスマートフォンを用いる場合は、予備の充電ケーブルも必携です。
会場内を盛り上げるアイテム
飲み会を楽しいものにするためには、余興やゲーム、BGMの演出が欠かせません。以下のアイテムを準備しておきましょう。
景品・ビンゴカード・ゲーム用具
定番のビンゴゲームを開催する場合、ビンゴカードと番号引き器を用意します。景品は参加者の年代や趣味に合わせて選ぶと喜ばれます。たとえば、食品券やKカフェのギフトカード、実用グッズ（タオルセットや文具）など、価格帯を揃えて複数用意しましょう。
ビンゴ以外にも、じゃんけん大会やクイズ大会などを企画する場合は、ストップウォッチやマイク、ホワイトボードを準備しておくと、本格的な演出が可能です。参加者全員が楽しめるような簡単ルールのゲームを選ぶことで、飲み会の盛り上がりが格段にアップします。
BGM再生用機器（スピーカー・プレイリスト）
会場でBGMを流す場合は、Bluetooth対応スピーカーやオーディオケーブルを用意します。事前にお店の許可を得ることが前提ですが、飲み会の雰囲気に合わせたプレイリストを作成し、開始前に自宅でテストしておくと安心です。
BGMに合わせて乾杯の合図を行うと、参加者全員が一体感を味わえます。クラシックな洋楽や最新ヒット曲、懐メロなどジャンルをミックスしておくと、幅広い年代が楽しめる雰囲気になります。
カメラ・撮影用スマートフォン
飲み会の思い出を残すために、幹事はカメラやスマートフォンで集合写真やイベント風景を撮影します。会場の照明条件に合わせて、フラッシュ機能や手ブレ補正がある機材を選ぶと、綺麗に撮影できます。
撮影した写真は当日中にオンラインアルバムにアップロードし、参加者に共有すると喜ばれます。専用の共有リンクをQRコード化して配布すると、スマートフォンで簡単にアクセスできます。
緊急トラブル対応グッズ
飲み会では急な体調不良やけが、衛生面の問題が発生する場合があります。以下のアイテムを持参し、万が一のトラブルに備えましょう。
救急セット（絆創膏・鎮痛剤）
小さなけがや切り傷に対応できる絆創膏や消毒液、痛み止めの鎮痛剤（頭痛薬・胃薬など）をセットにして携帯します。飲みすぎた参加者が頭痛を訴えた場合にも対応できるため、複数種類の基礎薬を準備しておくことをおすすめします。
救急セットはコンパクトな医療ポーチにまとめておくと、すぐに取り出せます。また、参加者が緊急連絡先を求めてきたときに備え、最寄りの救急病院の連絡先をメモしておくと役立ちます。
ウェットティッシュ・ハンカチ
飲み会中は食べこぼしや飲みこぼしが起こることが少なくありません。ウェットティッシュやハンカチを持っておくと、テーブルや服の汚れをその場で拭き取れて便利です。アルコール消毒タイプのウェットティッシュを選ぶと、手指の衛生も保てます。
また、夏場やエアコンの効き過ぎで寒い場合に備え、小型のハンドタオルやポケットティッシュも用意しておきましょう。冷えや花粉症の季節にも役立ちます。
予備マスク・消毒液
感染症対策として、予備の不織布マスクや携帯用アルコール消毒液を用意します。飲み会では会話が弾むと飛沫が飛びやすくなるため、マスクを外すタイミングを周知すると同時に、着席時やカウンターで手指を消毒しやすい環境を整えましょう。
また、参加者が帰宅したあとにSNSやメッセージで「安心安全でした」という声を聞くと、幹事としての信頼度も高まります。
幹事が気を付けるお金・支払い準備
飲み会の精算は幹事の腕の見せどころです。トラブルを防ぐために、あらかじめ支払い準備と会計システムを整えておきましょう。
個別会計用の伝票・アプリ
個別会計（割り勘）を行う場合は、伝票に「○○さん：飲み放題＋料理コース」など具体的にメニューを記載し、参加者ごとに金額を計算します。紙の伝票だけでなく、スマートフォンアプリ（Money Forward など）を使うと計算ミスが減り、参加者への請求もスムーズです。
また、PayPay や LINE Pay などのQRコード決済を導入すると、参加者が自分のスマートフォンでサクッと支払え、現金やお釣りの管理が楽になります。事前にお店に対応状況を確認し、幹事用アカウントを準備しておきましょう。
事前精算と当日精算のポイント
お店とコースを決めた段階で、幹事が事前に見積もりを取っておくと安心です。予約時に「飲み放題込みのコース名」と「1人当たりの料金」を確定し、参加者に事前に案内しておきましょう。人数変更やキャンセルが発生した場合のキャンセル料ルールも確認しておくと、追加請求や返金トラブルを回避できます。
当日精算では、受付で参加費を徴収したうえで代金を立て替え、終了後にレシートを確認して余剰金があれば返金します。余剰金が生じないように、事前に若干の上乗せ分（100～200円程度）を会費に含めて徴収すると安全です。
参加費徴収方法の例
会費徴収方法として代表的なのが以下の2パターンです。
① 事前オンライン決済＋当日残金徴収
② 受付当日一括徴収
①では事前にクレジットカードやQRコード決済で会費の一部を集め、当日は差額を徴収します。②では全額を受付で現金徴収する方法です。
①を選ぶと、当日余剰金や不足金を抑えやすくなりますが、事前決済の手数料や手続きが発生します。②は簡単ですが、お釣り準備に十分な小銭が必要となり、当日慌ただしくなる可能性があります。会場規模や参加者層に合わせて最適な方法を選びましょう。
飲み会終了後のフォローアップに必要なもの
飲み会が終わったら、参加者へのお礼や次回企画の案内をスムーズに行うために以下のアイテムを準備しておきましょう。
写真共有・SNS投稿用ツール
当日の写真を撮影したら、オンラインアルバム（Google フォトやDropbox など）を作成し、共有リンクを参加者に送付します。SNSの非公開グループやLINEグループを活用すると、飲み会後すぐに写真を共有でき、思い出を振り返る楽しみが広がります。
また、投稿用にハッシュタグを作成し、「#○○飲み会2025」などで検索しやすくすると、参加者全員でコンテンツを楽しむことができます。
お礼メッセージ用テンプレート
飲み会終了当日もしくは翌日に、簡潔な感謝メッセージを送ると参加者に対する印象が良くなります。テンプレート例をあらかじめ用意しておくことで、個別に文言を変えつつスピーディに送付できます。
例文：
「昨日はお忙しい中『○○飲み会』にご参加いただきありがとうございました。皆さまのおかげで大変盛り上がり、楽しい時間を過ごせました。また近いうちに第２回を企画しますので、ぜひご参加ください。本日はありがとうございました。」
次回企画連絡先リスト
次回の飲み会予定が決まったら、参加者リストを元に案内状やメッセージを一斉送信します。幹事は連絡先リストを最新の状態に保ち、メンバーの退職や転勤で変更があった場合にも速やかに反映しましょう。
また、参加を見送った人や欠席した人にもフォローアップメールを送ることで、次回の参加意欲を高められます。コミュニケーションを継続することで、幹事としての評価も上がりやすくなります。
まとめ：持ち物チェックリストを活用して幹事業務を成功させる
飲み会幹事の持ち物チェックリスト活用した準備すべきアイテムを網羅的に紹介しました。参加者リストや予算管理ツール、受付用品、緊急対応グッズなどを事前にチェックリスト化しておくことで、飲み会当日に慌てることなくスムーズに運営できます。
また、会場内を盛り上げるゲーム用具やBGM機器、カメラなどをあらかじめ準備し、当日の余興や演出にも配慮しましょう。
この記事で紹介したチェックリストをもとに、次回の飲み会幹事は準備万端で臨み、参加者全員が満足する成功の飲み会を開催してください。
