市販のワームは高価で好みのアクションやカラーが見つからないこともあります。そんなときこそ自作ワームに挑戦してみましょう。
本記事では、ワーム素材の基礎知識から自作レシピ、配色・配合アイデア、型取り&成型のコツ、保存方法までを網羅的に解説します。
自作ワームのメリットと必要な道具
自作ワーム最大のメリットは、コストを抑えつつオリジナルのアクションやカラーを自由に設定できる点です。市販品では再現が難しい細かいテクスチャーやスリット形状も、自作なら自在に作り込めます。また、壊れた際にすぐ修復できる点や、大量生産して仲間とシェアできる楽しさも自作ならでは。
準備すべき材料と道具一覧
まずは基本的な材料と道具を揃えましょう。必須アイテムは以下の通りです。
- シリコンゴム(基材):市販のシリコンキット(2液性)
- 着色用シリコン用着色剤:着色ペーストまたは粉末顔料
- 型取り用シリコーン(RTV):柔らかめタイプがおすすめ
- 混合カップ&ヘラ:正確な混合比率を守るために必要
- 計量スケール:重量比で調整するレシピに必須
- 注射器またはディスペンサー:細かい流し込みに便利
- 型枠(アクリル板やシリコン型)
シリコンゴム基材の選び方と特性
自作ワームの心臓部ともいえるシリコンゴム基材は、硬度や粘度でアクションが大きく変化します。TPE(熱可塑性エラストマー)やRTV(室温硬化型シリコン)など様々な素材がありますが、初心者には取り扱いが簡単な2液混合型シリコンキットが最適です。
硬度(ショアA硬度)の目安
ショアA硬度が低いほど柔らかく、しなやかに動くワームになります。ライトリグ用には20~30A程度、ノーシンカーやスプリットショット用には35~45A程度が使いやすい硬度です。
硬すぎると食い込みが悪く、柔らかすぎるとバスが吸い込みにくいので、使いたいリグや釣り方をイメージして硬度を選びましょう。
粘度と流し込み性
粘度が高いと型に空気が入りにくく、細かいディテールや細身のワームをきれいに成型できます。ただし、混合時に気泡が入りやすいので、真空脱泡器を使うか、混合後に数分放置して気泡を抜く作業が必要です。
基本の自作ワームレシピと配合比率
まずはベーシックなストレートワームを例に、基本レシピと配合比率を紹介します。レシピは重量比で管理すると失敗が少なくなります。
基本ストレートワーム(6インチ)のレシピ
以下の配合で約10本分の6インチワームが作れます。
- シリコン基材A:100g
- シリコン基材B:10g(硬化剤 10%)
- 着色ペースト:目的の色に応じて2~5g
- グリッター・ラメ:1~3g(お好みで)
- フレーバーオイル(ガーリックなど):1g
基材AとBを混合し、均一に色が付くまでしっかり攪拌。脱泡後、型にすばやく流し込み、硬化時間(室温20℃で約30分)を待ちましょう。
カラーレシピ例:グリーンパンプキン系
ナチュラル系で汎用性が高いグリーンパンプキンカラーの配合例は以下の通りです。
- イエローイエロー:3g
- グリーン:2g
- ブラック:0.5g
- グリーン・オレンジフレーク:2g
フレークはラメを加えた後に混ぜ込むことで、色ムラを抑えつつ自然な輝きを演出できます。
型取り&成型のステップバイステップ
きれいにワームを成型するための具体的手順を解説します。ポイントは“素早く”、“気泡を残さない”ことです。
ステップ1:シリコン型の準備
アクリル板やマスターモデルを使って型枠を作ります。型内部にリリース剤(離型剤)を薄く塗布し、後工程でワームを取り出しやすくします。
ステップ2:基材の混合と脱泡
計量した基材をカップで混合し、数分間放置して重力で気泡を浮かせます。真空脱泡器があれば、より完璧に気泡を除去可能です。
ステップ3:注入と硬化
注射器やディスペンサーで型にゆっくり流し込み、型を軽くトントンと叩いて残った気泡を追い出します。硬化時間はシリコンの種類によりますが、一般に室温20℃で30分~1時間程度。
ステップ4:取り出しと仕上げ
完全硬化後、型からワームを丁寧に取り出し、バリや余分な部分をカッターでカット。必要に応じてUVクリアコートで表面をコーティングすると耐久性が向上します。
応用レシピ:フィネス&ビッグベイト向けワーム
自作ならではの特別レシピとして、フィネスリグ向け極細ワームやビッグベイト用大型ワームの作り方を紹介します。
フィネスワーム(3インチ)の配合
柔らかく繊細なアクションが求められるフィネスワームは、硬化剤を8%程度に抑え、粘度の低い基材を選びます。着色はナチュラルグリーンパンプキン+微細グリッターのみで強いコントラストを避けるのがコツです。
ビッグベイトワーム(8インチ以上)の配合
大型ワームは硬度を30A~35A程度に設定し、フレーバーオイルを多め(約2g)に配合。ラメよりも大粒ホログラムで視認性を高め、ビッグバスに存在感をアピールします。
ワームの保存方法と再利用テクニック
せっかく作ったワームは正しく保管しましょう。気温や直射日光を避け、ジップロック+乾燥剤で冷暗所に保存すると、数か月~1年は品質を保てます。
再利用アイデア
硬化不良や余ったワームは、細かく刻んでパンプキンシードやミミズリグに再加工可能です。また、カラー見本として型枠に残しておき、次回のレシピ調整に役立てましょう。
まとめ:自作ワームでバス釣りをもっと楽しく
「自作ワームのバス釣りレシピ」というテーマで、材料選びから配合、成型、保存までを詳しく解説しました。
自作ワームは手間と時間がかかりますが、その分オリジナリティとコストパフォーマンスに優れ、釣果アップにも直結します。ぜひ本ガイドを参考に、世界に一つだけの自作ワームでフィールドを制覇してください。

