本記事では、読書会初心者向けに、初めて読書会を主催する方のための完全ステップバイステップガイドをお届けします。参加者募集や会場選定、タイムテーブルの作成、当日のファシリテーション技法、トラブル対策、会後フォローまで解説。
読書好きな仲間を集め、深い議論と温かな交流を生む場をスムーズに運営できるノウハウが満載です。
1. 読書会を企画する前に押さえるべき3つのポイント
成功する読書会には、明確な目的設定、ターゲット参加者のイメージ、そしてテーマ選定の3要素が欠かせません。まずはこの3つを固めることで、企画の方向性がブレずに参加者に魅力を伝えやすくなります。
1-1. 目的設定:「学び」「交流」「趣味深堀り」から選ぶ
あなたの読書会は、ビジネス書を学ぶ“知識深耕型”ですか?あるいは小説を通じた“感性交流型”?目的が決まれば進行内容や進行ペース、募集文面も一貫性を持って設計できます。
1-2. ターゲット参加者のペルソナを描く
社会人ビジネスパーソン、大学生、主婦層…誰に向けた読書会か明確にしましょう。年齢層や読書経験に合わせて所要時間、読書量、ディスカッションの深度を調整する必要があります。
1-3. テーマ選定:「広すぎず狭すぎず」の絶妙な切り口
「好きな本を持ち寄る」だけでは漠然としすぎ。逆に「19世紀フランス文学の女性作家限定」ではハードルが高い。初回は「話題の映画化原作」「短篇アンソロジーから1編選ぶ」など、誰でも参加しやすい広がりと深みを両立しましょう。
2. 参加者募集と告知のワークフロー
企画が固まったら、いよいよ募集フェーズ。SNSやコミュニティ掲示板、LINEオープンチャットなどを駆使し、ターゲットにリーチする方法を順序立てて解説します。
2-1. 告知文に必須の5要素を盛り込む
開催日時・会場、参加費、募集人数、テーマ概要、申し込み方法の5点は必ず明記。加えて「持ち物(本●冊、筆記用具)」や「事前資料送付日」を補足すると、参加者の不安を減らせます。
2-2. 最適なチャネル選びと投稿タイミング
ターゲット層がよく使うSNSを見極め、平日夜や週末昼の書き込みが盛り上がる時間帯を狙いましょう。Facebookグループ、Twitter、Instagram、LINEオープンチャットを組み合わせると広く拡散できます。
2-3. リマインドメールとリマインド投稿の頻度
開催1週間前と前日にリマインドを送信。メールやDMだけでなく、告知SNSにも再投稿して参加者に忘れられないようフォローします。
3. 会場選定と設備準備のチェックリスト
読書会の雰囲気は会場で大きく左右されます。オンラインとオフラインそれぞれに最適な環境を整えるためのポイントと具体的な備品リストをまとめました。
3-1. オフライン:カフェ・レンタルスペースの選び方
少人数ならカフェ半個室、機材が必要ならレンタルスペースがおすすめ。Wi-Fi、電源、ホワイトボードの有無を事前に確認し、快適な場を確保しましょう。
3-2. オンライン:ZoomとGoogle Meetの活用術
画面共有で事前資料を表示しつつ、ブレイクアウトルームで少人数ディスカッションを取り入れると会話が活性化。録画設定や背景バーチャル配慮も忘れずに。
3-3. 必要備品リスト
・タイムキーパー用タイマー
・ホワイトボード(または模造紙)とマーカー
・名札・席札
・ドリンク&軽食(任意)
・資料印刷またはPDFリンク
4. 当日の進行マニュアル:詳細タイムテーブル例
ここでは、初回6人規模・2時間枠の読書会を例に、進行台本を細かく解説。主催者がやるべきタスクと参加者に求める行動を明確に示します。
4-1. 開会~アイスブレイク(0~15分)
主催者からの簡単な挨拶と目的共有の後、参加者自己紹介を兼ねたアイスブレイク。「好きな本」「本との出会いエピソード」を1人ずつ30秒程度で発表してもらい、場の緊張をほぐします。
4-2. テーマ説明&事前資料共有(15~25分)
今回のテーマ背景や作品リスト、読書のポイントをスクリーン共有またはプリントで提供。キーワードをホワイトボードに書き出し、共通認識を作ります。
4-3. 全体ディスカッション(25~55分)
「本の内容」「登場人物への感想」「テーマとの関連性」など、オープンクエスチョンを投げかけて自由に意見交換。発言者はマーカーでキーワードをボードに書き出し、視覚化しながら進めます。
4-4. 小グループ深掘り&発表(55~85分)
3人×2グループに分け、「こんな問いを深掘りしてみましょう」とテーマを細分化。10分深掘り→各グループ3分発表のサイクルを回し、多様な視点を共有します。
4-5. まとめ&次回案内(85~120分)
無料記入式アンケートを配布し、満足度と次回テーマ希望を収集。その場で次回開催予定日と仮テーマを共有し、退出前に参加者同士のSNS交換を促します。
5. ファシリテーション技法:議論を活性化させるコツ
進行マニュアルに沿っても、場が静まり返ることがあります。ここでは、参加者全員が発言しやすく、議論が深まる簡単な技法をご紹介します。
5-1. チェーンリアクション型問いかけ
「ではAさんに質問しますね→Aさんの意見の後、Bさんはどう思いますか?」と順番に振ることで、手を挙げない人にも発言機会を作ります。
5-2. ホワイトボード活用で視覚的共有
キーワードや論点をホワイトボードに可視化すると、意見の方向性が見えやすくなり、沈黙が起きにくくなります。主催者が書き役になることで議論を止めずに進行できます。
5-3. リフレーミングで視点を変換
「この登場人物の行動は?」だけでなく、「もし自分が同じ場面にいたら?」と切り口を変えると、議論に新鮮な視点が加わります。
6. トラブルシューティング:よくある課題と対策
初開催では予期せぬ問題が起こりがち。代表的なトラブルと、その場での即時対応策をまとめました。
6-1. 参加者が遅刻・欠席した場合
開始直後は自己紹介を録画またはメモし、後で共有。途中参加者には「今ここまで話が進んでいます」と要点を口頭でキャッチアップしましょう。
6-2. 議論が一部の人に偏る場合
発言が偏ったら「最近本を読む時間は取れていますか?」など本テーマから少し逸らした簡単な問いかけを挟み、場をリセットしてから再度議論に戻します。
6-3. 会場の騒音・通信トラブル時の対処
カフェ開催で騒がしい場合は、スマホでホワイトボード写真を撮り共有。オンラインで音声が途切れた場合はチャット機能に切り替え、議論をチャットに移行します。
7. 会後フォローアップとコミュニティ化の方法
一回限りで終わらせず、長く続くコミュニティに育てるためのフォローアップ術を解説します。
7-1. アンケート集計で企画改善
満足度アンケート結果をグラフ化し、次回企画に反映。参加者に結果を共有すると「声が反映されている」と好評です。
7-2. オンライングループの運営
LINEオープンチャットやSlackで読書会専用チャンネルを作成。日々の読書報告や情報交換の場として活用すれば、次回参加も促進できます。
7-3. 定期開催スケジュールの設計
月1回ペースなど定期開催日を決め、半年先まで日程を告知。固定スケジュールがあると参加者がスケジュールを空けやすくなります。
まとめ:進行マニュアルに沿ってスムーズに読書会を主催しよう
「読書会初心者の進行マニュアル」をテーマに、企画前のポイント、参加者募集、会場準備、詳細タイムテーブル、ファシリテーション技法、トラブル対策、フォローアップまで解説しました。
このマニュアルに沿って準備と進行を行えば、初めての主催でもスムーズかつ充実した読書会を開催できます。ぜひ参考に、あなたらしい読書コミュニティを育ててください!

