スノーボードは、20世紀後半にアメリカで生まれ、今や世界中で愛されるウィンタースポーツです。その進化の裏には、数々のブランドの革新と挑戦がありました。
本記事では、スノーボードブランドの歴史をひも解きながら、代表的なブランドの誕生背景や技術革新、そして現在注目されている新興ブランドまでを、体系的にご紹介します。
スノーボードの起源とブランドの誕生
1960〜1970年代:スノーボードの始まりと原型の登場
- スノーボードの原型は1965年の「スナー・サーフィン」
- Sherman Poppen氏が子どものために作ったおもちゃが起源
- 木の板にロープをつけたシンプルな構造
1980年代:本格的なボードブランドの誕生
- スノーボードがスポーツとして認知され始める
- Burton(バートン)が1977年に設立、最古にして最大のブランドへ
- Sims(シムス)、Winterstick(ウィンタースティック)もこの時期に台頭
パイオニアブランドの歴史と特徴
Burton(バートン)
- 創業:1977年、アメリカ・バーモント州
- 創業者:ジェイク・バートン・カーペンター
- スノーボード界のパイオニア。業界最大手に成長
- 独自のバインディングシステム「EST」「Step On」などを開発
- オリンピック代表選手へのサポート実績も豊富
Sims(シムス)
- 創業:1976年、アメリカ・カリフォルニア
- 創業者:トム・シムス
- スケートボード文化と融合した独自のスタイルが人気
- デザイン性と操作性の高さが魅力
GNU(グヌー)/Lib Tech(リブテック)
- 1980年代中頃にアメリカ西海岸で誕生
- マグネトラクション(波打つようなエッジ)で一躍注目
- 手作業での製造と環境配慮が高評価
1990年代〜2000年代:ブランドの多様化と技術革新
K2 Snowboarding
- アメリカの老舗スキー企業からスノーボードへ進出
- オールラウンドでコスパの高い製品が人気
- ブーツやバインディングの設計でも定評あり
Ride(ライド)
- 1992年創業、攻めたグラフィックと高い機能性で若年層に支持
- 軽量素材とダンパーテクノロジーを駆使した滑り心地
CAPiTA(キャピタ)
- 2000年創業の比較的新しいブランドながら急成長
- 環境負荷を抑えた製造工場「Mothership」を持つ
- デザイン性と革新性が高く、フリースタイラーから人気
日本発のスノーボードブランドとその存在感
YONEX(ヨネックス)
- 日本のスポーツ用品大手が展開するスノーボード
- カーボン素材を使った軽量・高反発なモデルが特徴
- レース系やオールラウンドモデルに強み
OGASAKA(オガサカ)
- スキー製造で培った技術を活かした安定性と滑走性
- 熟練ライダーやベテランユーザーから高い信頼を得ている
NOVEMBER(ノベンバー)
- 若者向けフリースタイルボードがメイン
- デザインとクオリティの両立に成功している国内ブランド
スノーボードブランドの進化を支える要素
技術革新
- 軽量化素材(カーボン・ウッドコアの融合)
- 新しいバインディングシステム(StepOn、ミニディスクなど)
- エッジ構造の多様化(マグネトラクション、トラクションテック)
環境配慮
- 再生可能エネルギーを使った製造(例:CAPiTAのMothership)
- 生分解性の素材やパッケージを使用する企業も増加
デザインとカルチャー
- グラフィックアートとの融合
- スケートボードやストリートカルチャーの影響
- アーティストとのコラボボードも多数登場
現代の注目スノーボードブランド
Jones Snowboards(ジョーンズ)
- フリーライド・バックカントリー向けのリーディングブランド
- サステナブルな製品開発で環境意識が高い
- ジェレミー・ジョーンズによるブランド
YES.(イエス)
- 元Burtonライダーが立ち上げたフリースタイル志向のブランド
- トリックとパウダー両立が魅力
Arbor(アーバー)
- 木目を活かしたナチュラルなデザインが特徴
- 環境保全活動に積極的で、サーフスタイルの滑りにフィット
ブランド選びのポイントとアドバイス
スタイル別おすすめブランド
| スタイル | おすすめブランド | 特徴 |
|---|---|---|
| フリースタイル | CAPiTA / YES / NOVEMBER | 軽量・高反発・グラトリ向け |
| オールマウンテン | Burton / K2 / Ride | バランス重視で初中級者にも最適 |
| パウダー・バックカントリー | Jones / Lib Tech / Arbor | 浮力・安定感に優れる |
ブランド選びのチェックポイント
- 目的(パーク、パウダー、カービングなど)を明確に
- サイズ・フレックス(硬さ)・長さの確認
- 自分のスキルレベルと合っているかどうか
- 店舗スタッフや経験者のアドバイスを活用する
よくある質問(FAQ)
Q. ブランドによって滑りやすさはそんなに違うの?
→はい、素材・構造・形状の違いでかなり変わります。同じジャンルの板でも乗り味は別物。
Q. 初心者におすすめのブランドは?
→BurtonやK2などのエントリーモデルは扱いやすく、価格も手頃です。
Q. マニアックなブランドは初心者には不向き?
→機能性が高すぎて扱いづらい場合もありますが、好みに合えば問題ありません。事前に試乗できると安心です。
まとめ|ブランドの歴史を知ることでスノーボードはもっと楽しくなる
スノーボードブランドの歴史は、滑りの進化そのものです。それぞれのブランドが持つバックグラウンド、技術へのこだわり、カルチャーとの融合は、ボード選びのヒントにもなります。
この記事のまとめ:
- スノーボードブランドの歴史は1970年代のアメリカから始まった
- Burtonを筆頭に、数多くの革新的ブランドが登場
- 日本にも高性能・高品質なブランドが存在
- ブランドの背景や哲学を知ることで、ギア選びがもっと楽しくなる
- 初心者は目的に合ったブランド選びから始めよう
ブランドの“顔”ともいえる板を選ぶことは、あなたの滑りのスタイルを表現する第一歩です。ぜひ歴史を学び、あなただけの一枚を見つけてください。

